第30話
チュモン指揮のもと、テソは先鋒部隊の兵として出征することを条件に罪を許される。チュモンは弟である自分が兄たちを従えることに抵抗を感じるが、クムワは今度の戦には絶対に勝たなければならないとチュモンを諭す。一方、ヒョント城の太守ヤンジョンは、当面の敵ではあるが、チンボンとイムドゥンに援軍を派遣しようとしていた。この援軍はプヨにとって最大の敵だった。
チュモンはこの戦のために前もって準備を進め、ヨンタバル商団に軍商として参戦してもらい、そして、鋼鉄剣の開発に成功したモパルモをケルから呼び戻す。プヨの鉄器工場へ戻ったモパルモは、出征まで日がないプヨ軍の勝利のために、武器の生産に拍車をかける。プヨ宮廷内の勢力図は変化し、王妃とテソに傾いていた流れが、クムワとチュモンに再び戻ってくる。
その後、鉄騎軍と互角に戦うために、チュモンは遊牧民の白山靺鞨族(ペクサンマルガルぞく)に兵として協力してもらうことにする。さらに、サヨンの助言を取り入れ、ふたつの任務を行う別働隊の作戦を考える。ひとつの任務は、チンボン・イムドゥン軍に物資を補給するナンナン軍の物資の補給路を断つこと。そしてもうひとつは、ヒョント軍がチンボン・イムドゥン軍と合流するのを遅らせることであった。チュモンはサミゴクという渓谷でヒョント軍を襲う作戦を立てるが、テソはナロに命じてその作戦を探り出し、ヒョント城にいるヤンジョンへ知らせる。
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