第65話
チュモンは無事にケルへ戻り、タムル軍は驚喜しソンヤンは安堵する。ソンヤンたちはチュモンが不在の間、不安に駆られてテソ側に寝返っていたが、チュモンはソンヤンに敵を油断させるためそのままテソに従うふりを続けるよう指示する。一方、プヨ軍には漢からの兵糧と軍需物資が届き攻撃準備が完了する。チュモンの死によってタムル軍の士気が低下していると信じ込んでいるテソは、わずか二百名の先鋒部隊を自ら率いてケルに攻め込むことを決める。
別働隊としてチョルボンへの潜入を命じられたプブンノは、チュモンにテソの計画を報告する。それを聞いたチュモンは、アクプ嶺にいる先鋒部隊をピリュ川上流の草地へとおびき出し、火攻めの奇襲作戦を行うことを決める。そうとは知らずチュモンの作戦通り草地に現れたテソは、あっという間に火にまかれ敵側で剣を振るうプブンノの姿を見て初めてわなにはまったことに気づく。テソは屈辱的な敗退を喫してプヨ宮殿に戻り、再度の出陣をクムワに懇願するがクムワはこれを制止する。
プヨ軍の攻撃は退けたもののチョルボンの窮状に変わりはなく、ソソノからの連絡もない状況が続く。ピリュとクァンナには疫病が広まって死者が続出し、この悲惨な現状を視察して将来を悲観するチュモンは、天の救いを求めて冷たい雨に打たれ何日も祭儀を続ける。
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