第36話
チュモンは生きていた。負傷して川に流されていたところをハンベク族の族長イェチョンに救われ、屋敷へと運ばれたのだった。イェチョンの娘イェソヤの献身的な看病のおかげでチュモンは息を吹き返し、無事プヨに戻れると思いきや、突然イェチョンの側近であるソルタクによる反乱が勃発する。以前から漢との友好関係を主張してイェチョンとソリが合わなかったソルタクは、留守を預かっている間にヒョント城と取引をしたことでイェチョンの怒りを買って職責をはく奪され、またイェソヤに言い寄るも相手にされなかった恨みも手伝い、ついに手下を率いて行動に出たのだった。
この反乱でイェチョンは命を落とし、彼の助太刀をしたチュモンは洞くつの監獄へ監禁されてしまう。後日、族長に取って代わったソルタクはチュモンを目の前にひざまずかせ、プヨの王子とはいい拾い物をしたと笑い、ヒョント城へ引き渡すことを告げる。一方、プヨ宮殿でもクムワが息を吹き返し、自分が意識を失っていた間のテソの専横ぶりをユファの口から聞かされたクムワは、権力を奪い返すべくフクチ大将軍と信頼できる護衛兵を中心に兵を動かす準備を進める。
しかし、もはや後へは引かぬ構えのテソ陣営はクムワの作戦を事前に察知し、サチュルトへ応援を要請していた。クムワの作戦は決行されたものの、護衛兵はテソの拘禁に失敗してしまう。山中に兵を待機させていたフクチは、一足違いでサチュルトの軍勢に掌握された宮殿の中へ入ることすらできず、万策尽きたクムワは「体調が万全ではない王に変わって摂政を務めることを許可せよ」と詰め寄るテソの要求を受け入れる。
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