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第15話『古都奈良の文化財』初回放送:2014年10月8日(水) 22:00~22:55

 奈良の世界文化遺産は、二つ。奈良市内にある平城宮跡、東大寺、興福寺、元興寺、唐招提寺、薬師寺、春日大社、春日山原始林の8カ所を奈良市全体のひとつの世界遺産とした「古都奈良の文化財」。それと併せ、「法隆寺地域の仏教建造物」が世界遺産に登録されている。

 今回は、「古都奈良の文化財」の中から春日山一帯、そして、奈良時代に「南都七大寺」として朝廷の保護を受けた巨大寺院をめぐる。

 奈良の旅は、社寺めぐりが定番だが、まずは春日山原始林を歩く。ここは、古くから信仰のあった神山だったが、山内での狩猟や伐木が禁止されたため、千年以上も人手の加えられていない原生林がひろがっていた。仏教文化に彩られた奈良は、自然の神を崇拝するという、日本古来の祈りの文化もまたしっかりと根付いている。

 続いて、「奈良の大仏」で世界的に知られた盧舎那仏を擁する東大寺を訪れる。勇壮な南大門、迫力のある仁王像、すべてが巨大な建造物を前に、滝田があらためて思うこととは・・・。また、寺の周辺を歩きながら、町の情景を楽しむ。この界隈は、古くから奈良名物の土産物を作る店が多く、世界遺産めぐりの観光客が多いのだ。

 奈良を代表する風景、興福寺の五重塔。境内には、勇壮な山門も豪壮な伽藍もない。興福寺は、中世以降、戦禍で焼失と再建が繰り返され、今の佇まいとなった。遺された伽藍は、平和の尊さを私たちに教えている。

 そして、市の中心部・三条通りにほど近い場所にある、奈良墨つくりの老舗「錦光園」で、滝田は墨作りに挑戦する。奈良は墨づくりで知られた地であり、社寺は墨は欠かせないのだ。

 最後に訪ねたのは奈良市の中心部から西、平城京跡を北に臨む西ノ京にある薬師寺。かつて、玄奘三蔵を演じた滝田にとって、大変思い出のある場所。三蔵の像に思うことは・・・。また、今回の旅で最も古い御仏、白鳳時代に作られた国宝薬師三尊像を前に、古代の人々がこの御仏に込めた祈りを考える。

 “和を以て貴しと為す”この聖徳太子の言葉を、常日頃大切に思っている滝田。この旅で、改めて古代の人々の心に迫る。

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