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第13話『富士山』初回放送:2014年9月17日(水) 22:00~22:55

 富士山は、静岡県と山梨県の県境にまたがり、単独峰独特の美しさ、日本最高峰としての気高さから、古より神おわす山として崇められ、国内はもとより海外にまで多大な影響を与えてきた。世界文化遺産「富士山・信仰の対象と芸術の源泉」には、その富士山域を中心に、雄大さを物語る自然や信仰の歴史を示す遺構など、合わせて25カ所が登録されている。

 まず滝田が訪れたのは、富士山本宮浅間大社。古き時代より噴火を繰り返す富士山は神が宿る山として恐れられ、噴火を鎮めるために富士山の麓に浅間神社を建立したそうだ。宮司にその歴史を聞きながら、木花之佐久夜毘売命が祀られている話などをきく。境内にある湧玉池、富士山の伏流水からなる美しい池を眺め感慨にふける。その後、同じように富士山の湧水が噴出する白糸の滝を訪れる。約200メートルにわたる滝の眺めは圧巻。また、様々な溶岩から成る大きな森、青木ヶ原の樹海に、富士山の麓に大きく広がる神秘の大自然を感じる。

 それから江戸時代から続く御師(おし)、富士講のための宿「筒屋(づづや)」を滝田が訪ねる。富士講とは富士山信仰のための集団を指し、御師は宿舎の提供と、教義の指導や祈祷、各種取次業務を行うなど、富士信仰の全般に亘って世話をする存在であった。ここで、滝田は富士山の版画を体験する。当時の物に拘っているという料理もいただき、夕顔のみそ汁の素朴な味わいに舌鼓。

 富士山は国内だけでなく、海外の芸術作品にまで影響を与えてきた。その代表が浮世絵。そんな作品が集められたミュージアム「フジヤマミュージアム」に訪れる。また、富士に魅せられた芸術家ピーター・J・マクミランに、富士山を描き始めたきっかけ、その魅力などをきく。

 日本、そして日本の文化を象徴してきた富士山、その神聖で荘厳な姿、富士山信仰を育んできた歴史、誰もが知っている富士山を改めて思う。

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