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第14話『小笠原』初回放送:2014年10月1日(水) 22:00~22:55

 総面積が、79.4平方キロメートル、南北400キロに及ぶ日本で最も長い世界遺産、小笠原諸島。

 北から聟島(むこじま)列島。父島列島、母島列島の小笠原群島と、その西側に浮かぶ西之島。硫黄列島とも呼ばれる火山列島からは、北硫黄島と南硫黄島。30あまりの小笠原諸島の19の島と隣接する海域。

 小笠原諸島には、飛行場がなく、唯一の交通手段であるフェリーは、東京・竹橋桟橋から中心の父島まで25時間かかる。東京都に属していながら1000キロメートルも離れている、絶海の孤島。一度も大陸と接したことがなく、独自の生態系を保ち、島々の外から、他の生物がほとんど侵入できず、独自の固有種が生まれ、別名を「東洋のガラパゴス」と言われている。絶海の孤島はどのように生まれ、生き物たちはどんな営みを繰り返してきたのか?

 今回は、貴重な映像を見ながら、絶海の小笠原諸島がどうして世界遺産に登録されたのか、動植物がどういう生態系の元に暮らしているのか、滝田栄と一緒に考えていく。

 小笠原は植物の40%、樹木に限ると実に70%が固有種だと言われ、その中には、奇想天外な生態をみせるものもあるそうだ。ここでしかみられない生き物とは? また、2013年、西之島のすぐそばで新たな噴火活動があり、島が誕生し、数倍に西之島が広がったのは、記憶に新しいこと。今なお、地球内部の激しい地殻変動が見られる小笠原諸島は、生きた地球の姿を感じられる世界の宝そのものだ。

 絶海の孤島として、何万年も独自の生態系を育んできた小笠原諸島。しかし、近年になって、急速に、外来種の侵入による生態系の危機に直面することが多くなってきた。人が連れてきた動植物によるものだ。ここが独自の進化を続けるのかは、私たち人間の取り組み次第かもしれない。人類の宝として全ての人が気をつけなければいけない問題ついても考えていく。

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