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第8話『平泉・仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群』初回放送:2014年7月9日(水) 22:00~22:55

 東北地方初の世界文化遺産、平泉。中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山の5資産が登録されている。肉親を亡くしながらも東北を統一した奥州藤原氏の初代清衡は、自然豊かなこの地が再び戦にまみれないように、敵も味方も浄土にいけるようにと、1105年に中尊寺建立に着手。それから約20年後に金色堂を完成させた。その美しさと神聖さは、後に鎌倉幕府により金色堂を守る覆堂が建てられたほど。初代の思いを継ぐ二代基衡は毛越寺の造営に取りかかり、三代秀衡の代にようやく完成。そうした奥州藤原氏の代々の当主たちの平和=浄土への願いは、写経を治める経蔵からも感じられる。その一端に触れようと、滝田栄は写経を体験。

 その後、もう少し平泉の歴史を感じたいと滝田は町を離れ、未来の世界遺産を訪れる。9世紀に造営された達谷窟には、源義家が敵味方の魂を供養するため彫りつけたとされる岩面大仏が。また、最盛期の中尊寺が収めていた荘園、骨寺村荘園の遺跡では、中世社会の荘園の面影をとどめる景色に感嘆する。

 わずか100年で滅びるも、ここが仏国浄土と呼ばれる意味や、込められた思いに多々触れられる平泉。滝田が、この地で願うものとは。

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