「トップ・ギア」は世界的に人気なので、自動車メーカーも番組を気に入っていて、自社の製品を肯定的に取りあげてもらいたがっているでしょうね。シュコダ・イエティは、思いもかけないほどのすばらしい宣伝の機会を3度も得ました。自動車メーカーから、番組で紹介してほしいとか圧力がかかることはありますか。
 メーカーは自社の車を番組で取りあげてもらうことを強く望んでいるだろうけど、どういうふうに扱ってほしいとか、レビューしてほしいとか、そこに口を出すべきじゃないことはわきまえていると思う。無謀なことだから。
なぜかというと、a)ぼくらにはぼくらの意見や考えがあるし、b)とにかくBBCの番組だから、スポンサー契約とか何らかの取引とか、そういうことはできないから。実際、車は無条件に提供されて、たいていのメーカーの人間は、貸した車にぼくらが率直な意見を言うことを了承してくれる。車を返すときにも、どうしようもないとわかっているから、担当者もその上司も、怒ったりしない。そういうふうに、きわめて公平に、きわめて公明正大にやっているよ。
ジェームズ、番組から出される要求や課題に応えられる体力を保つために、なにか健康によいことを習慣にしていますか。
 毎朝、階段を歩いて下りるようにしているし、ときには忘れ物をしてもう一度昇ることもあるよ。正直に白状すると、ガレージの扉がかなり重くて、電気のモーターをつけてしまったんだ。とくに健康とは言えないんじゃないかと思うけど、ときにはちょっとした健康によいことをすることもある。少し歩いたり、自転車に乗ってみたり。自転車は前から好きだったから、サイクリングは少しやるね。でも、残念ながらちゃんとした運動の習慣というのはあまりないなあ。昨日はヨーグルトを食べたけど。
ガレージで過ごす時間はどれぐらいですか。ガールフレンドにはかなり嫌がられるんじゃないですか。
 車をどこにしまってあるかがわからないように、秘密のガレージを持っているんだ。家には小さなガレージがあって、そこは作業場みたいな場所で、自転車の修理をしたり、古いバイクなんかをいじったりしている。
彼女はぼくがそこにいても嫌がったりはしないけど、ときどきやって来て、「そろそろ家の中に入って、普通の人にもどったら?」とか言うんで、そのときは切りあげないといけない。無理にやめさせようなどとはしないよ、のし棒を持ってぼくを追いかけてくるとか、そんなことはしない。ときどきはパブにも行かせてくれるし。すごいだろ?
南アフリカではまもなくシーズン15の放送が始まりますが、どんな内容なのでしょうか。
番組の人気を保つために、新しい企画をいつも生みだしていますよね。シーズン15の呼び物は何でしょうか。
 シリーズ15だよね、よく考えてみないと、頭の中で全部ごちゃごちゃになっているから。
シリーズ15では中東で大がかりなドライブをして、一度ぼくがばかげたパワーテストをして、ジェレミーは何度も間抜けなパワーテストをして、それから――思い出せないな――申し訳ないけど、どの企画をどの年にしたか、ごっちゃになってしまっているんだ。とくに今は新シリーズの途中だから。
トム・クルーズとキャメロン・ディアスがテストトラックを走ったのはかなりの見ものだったけど、何が起きるかは言わないでおくよ。ジェフ・ゴールドブラムも来た。 そう、自分たちのモーターホームを作ったのもシリーズ15だったっけ。かなり大きなやつだったよ。そういえば忘れてたけど、シリーズ15では、有名人レースの車を新しいのに代えたんだ。だから、はじめに有名人を何人か集めて、前もってタイムを出してもらって、ランキングボードを用意した。それを全部撮影したんだ。そうでないと、第1回目のゲストのインタビューのときに、ボードが白紙のままになってしまって、どんなタイムだったとしても、トップであり同時にビリでもある、という事態になってしまうから。それじゃつまらないからね。だから、いつも1グループについて6、7人分は最初からタイムを載せておくんだ。そういうのを全部見られて、かなり楽しいよ。
マルタに来られたことは?
 ああ、一度あるけれど、たった1日だけで、新車の発表会だったんだ。何の車だったか憶えていないけど、マルタの風景は憶えているし、有名なタウン・スクウェアも憶えているよ。
マルタでは5月ごろに有名なラリーが開催されます。クラシックカーなどが集まるので、見に来られませんか。
うん、以前から招待されているんだけど、一度も行けなくて。でもそうだね、行ってみたいね。楽しそうだから。タルガ・フローリオみたいなものだったよね。
ええ、そうです。
どんな感じかはわかるな。行けるようにがんばるよ。
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