以前、ルーマニアに来られましたよね。ルーマニア旅行を考えている人に、何かアドバイスはありますか。
ルーマニアといえば、そうだね、あの何だっけ、「チャウシェスクの愚行」とか呼ばれている、壮大なトランスファガラシャン・ハイウェイに行くといいよ。ぜひ行ってみてほしいね。
あと、食事も楽しんで。ルーマニアで食べた伝統料理みたいなのは、最高においしかった。シチューと、それから米を使った何かに、確か刻んだラム肉が入っていたと思う。だよね? みんなたらふく食って、あれは最高のひとときだった。ほんと、文句なしだったね。
典型的なノルウェー人とはどんな人間だと思いますか、ジェームズ?
典型的なノルウェー人といわれてもなぁ、何百万人にも会ったわけじゃないからね。だいたい、あそこには何百万人もいないしね。
ノルウェーの人たちはどこかぼくらに似ているんだけど、違っている点もあって、それがかなりおもしろかったな。すごくまじめそうだしね。愉快な連中なんだけど、物事をまじめに受け止めるし、なんでも正確に、順序だててやるよね。そういうところはいいと思う、ぼくもややそういうタイプだから。持っている冬服を残らず着こむところとか、冬服のデザインのしかたとか、ノルウェー人のやることなすことは、すべてじつに緻密で、きっちりと決められた方法で行われるんだ。
フィンランド関連の質問をいくつかしてもいいですか。フィンランド最高のラリードライバー、ミカ・ハッキネンと一緒に仕事をして、いかがでしたか。ドライバーとして、何か新しいことを教えてもらいましたか。
ぼくはコンペティションやレーシングはあまりやらないから、いくつか教えてもらったよ。カウンターステアリングの切り方とか、パワースライドさせながら木製のピンの間を抜ける方法とか。
人間としても、ものすごく愉快なやつだと思う。どこか役者みたいなところがある男だね。顔だけでいろんなことを表現することができるんだ。だから、こちらがちょっとばかばかしいことを言ったり、もっともなことを言ったりしたときに、彼の目を見れば、どう思っているかすぐにわかる。一部の人間だけが持っている変わった能力なんだけれど、彼の場合その力がすごいんだ。一緒にいると楽しかったよ。すごく楽しませてくれるし、自分自身とか、フィンランドとか、モーターレースとかを笑いの種にするのもうまいんだ。笑いのツボを心得ているね。
ミカは自動車レースを懐かしがっているようでしたか。
うん、少しそう思った。とくに、トラックで車を走らせていたときは、すごく興奮していて、顔がちょっと輝いていた。すごくガッツのある男だよね。またレースに出たいようにも見えたし、きっと今でも十分に通用すると思う。
自分はかなり物静かな人間だから、フィンランド人になる資格があるんじゃないか、とミカに訊ねていましたね。ぜひ名誉フィンランド人にノミネートしたいと思います。物静かなタイプだからというだけでなく、運転が好きで、上質なクラシック音楽の愛好家でもあるからです。わたしもシベリウスが好きなので。それに、「トップ・ギア」のおかげで有名になったことに、少し戸惑っているように見えますし。
ただ、あなたにシス(フィンランド魂)があるかどうかはわかりません。どうでしょう、シスを持っていますか?
持っていると思いたいね。名誉フィンランド人になれたらうれしいなあ。すごいことだと思うし、それを名乗れる証明書があるなら、もらえるとありがたいけど……。
プリントアウトしましょう。
ありがとう。シスに関しては、持っていると思いたいけど、たぶんすごくちっぽけなものだと思う。 自分のインナーパワー(内に秘められた力)をつかさどる動物みたいなものだとすると、それはまだウサギ並みなんだよなあ。大型犬にはほど遠いけど、努力してみるよ。
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