番組で何度かノルウェーに来られていますが、繰り返し来たくなる理由は何でしょうか。
誤解はしてほしくないんだけれど、一つにはノルウェーには確実に雪があるからで、雪を使って何かしようというときにノルウェーを選ぶんだ。
でもそれを言ったら、雪国ならほかにもたくさん行き先はあるよね。ノルウェーに行くと、実際いつも楽しいんだ。景色がいいよね、ぼくの目にはどの木も全部同じに見えるんだけど。雪質もすごくいいね。期待通りのいい雪で深さもある。それにノルウェーに行くといつも笑っている気がする。ただし、飲み物はバカ高いよ、言っとくけど。
ノルウェーといえば、ライブショーの「トップ・ギア・ライブ」がノルウェーで開催されますね。どんなショーになるのでしょうか。オーストラリア版と同じような感じですか。
そう、よく似ているね。「トップ・ギア・ライブ」は国ごとに少しずつ変えているけれど、基本的な内容は同じで、テレビの番組と似たようなものを、ステージを使ってやるんだ。もちろん、ステージ上ということで制約されるから、違いは出てくるけれど、本質はやっぱり男3人がふざけて車でバカなことをやって、そこに真剣なドライビングがプラスされる。そっちのほうは別の人たちが担当だけどね。ぼくらはあまりあてにならないから。だからスタントドライバーのチームがいて難しい部分をやってくれて、ぼくら3人が出ていってズッコケを担当するんだ。
近々ヨハネスブルグに来てくれるそうですが、どんな企画になるのか、ここでいくらか教えてもらえませんか。
「トップ・ギア・フェスティバル」というのをキャラミ・グランプリ・サーキットで開催する予定なんだ。詳細はまだ完全に固まっていないから、いいかげんな予告はしないでおくけど、英国のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードを組み合わせたみたいな感じになると思う。聞いたことないかな。貴族の領地内のコースでクラシックカーを走らせる、すごく優雅なイベントなんだ。そういう要素を交えつつ、でもやっぱり断然「トップ・ギア」らしく、ちょっとばかばかしくて、かつちょっと飛ばし過ぎの内容になるだろうね。 つい先日チェックしたばかりだから知っているんだけど、名車やら旧車やら珍車やら、集まる予定の車のラインナップが信じられないほどすごいんだ。暫定リストを見てみたけど、そこからさらに増えるかもしれないし、とにかく仰天ものだよ。世界最高の自動車博物館がトラックを走るみたいなものなんだ。そんな感じで、とびきりの見ものになるだろうね。
この間の中東の旅のときに、シリアでばっちり「ジェームズだ」と気づかれていましたね。あれは、番組の浸透ぶりを何より如実に示した出来事の一つと言えるのではないでしょうか。
この3、4年、ああいうことがかなり頻繁に起きるようになった。前よりいろんな国で気づかれることが増えてきたんだけれど、なぜだか、シリアなら誰もぼくらのことは知らないだろうと思っていたんだ。なんでそんなふうに思っていたかよくわからない。シリアではドイツよりも番組を見ている人が少ない理由なんてないんだから。 でも文化も、場所も、環境もまったく違う国だし、行ったところが砂漠とかだったし、ここなら「トップ・ギア」なんてさっぱり知られていないだろうと思っていたんだ。でも残念ながら知られていたし、見てくれていたんだよね。驚いたけど、うれしい驚きだったよ。
人々に気づかれたとき、どう対処しますか。最近では日常茶飯事なのではないかと思いますが。
とくに問題があるわけじゃないよ。若いころに比べて、挨拶する相手が増えたというぐらいで。トム・ジョーンズなんかとは違うから、服を引きちぎられそうになるわけじゃないし。たんに、「ハロー、ジェームズ」なんて話しかけられたり、ばかばかしい冗談を言われたりするぐらいで。怖いこともないし、ほんと、楽しんでいるよ。
通りを歩いていると、よく「コック(くそっ、ジェームズの口癖)」と声をかけられるんじゃないですか。
うん、よく小学生たちが、「オー・コック」なんて叫びながら、ぼくのまわりを駆けまわったりするね。それで母親に耳のあたりをぴしゃりとたたかれているよ。「うちの息子は、あなたのせいで『オー、コック』ばかり言っているの。どうしてくれるのよ」なんて文句を言いに来た母親も1人か2人はいたよ。申し訳ないけど、もう手遅れだよね、今となっては。
←スペシャルコンテンツ トップページへ