ポルシェがボンネットにピアノを落とされて持ちこたえられるかを見られたのは、自分にとってすごく意味がありました。車を買う時に、そういうところが気になるポイントですよね。
そう、ポルシェは当然持ちこたえられるけど、モーリス・マリーナは無理だね。ああいうことがもう起こらないように願っているけど、起きちゃうんだよね。
ツーシーターで長旅をするとして、メイかクラークソンのどちらかが助手席に乗り、もうひとりはバスで行くとしたら、どちらを乗せますか。その理由は?
ぼくがバスで行くね。
あなたがバスで?
うん、それがベストだろう。ぼくは何度もバスで長旅をしたことがあるし、 北極に行ったときもジェレミーとジェームズとは別に、いまいましい犬ぞりで行ったしね。
とはいえどちらかと行くとしたら、それぞれで全然違ったものになるだろうね。ジェームズの場合、くだらない長話になりそうで、いいね。
突飛なアイデアをいろいろ検討してみたりして、愉快そうだ。風変わりな会話になるだろうね。ジェレミーはいかれたラジオみたいに、叫びっぱなしだろうね。とくに下手くそなドライバーとか、邪魔な通行人とかを怒鳴りつけるだろう。と言っても、せいぜいうなるぐらいだろうけど。
というわけで、どっちも甲乙つけがたいほど楽しいだろうね。ちなみに、「楽しい」っていう表現は、カッコ付きだからね。
それでは、変な質問ですが、ジェレミーが車として生まれ変わるとしたら、彼の特徴から考えて、どんな車になると思いますか。
また、あなただったらどんな車に生まれ変わりたいですか。あるいは、来世はもう(ハムスターに)決まっていると思いますか。
ほんとに妙な質問だなあ。
ジェレミーが生まれ変わるなら……本人が聞いたらきっと気に入らないし、否定するだろうなあ。 自分では、ランボルギーニ・ミウラみたいな、とびきり洗練されたエレガントな古い車とか、アルファロメオ・モントリオールみたいなすごく奇抜なやつとか、ブガッティ・ヴェイロンなんかがいいと言うだろうから。実際は、でかいホールデンのV8エンジンみたいなやつに生まれ変わるだろう。そういう、でかくて、複雑じゃなくて、騒がしいタイプのやつ。本人は、自分をコンサート・ピアニストと物理学者を足して2で割ったような人物だと思っているらしいけど、そんなのたわごとだからね。
ぼくのほうは生まれ変わるとしたら……そうだ、あれがいい。友人が古いプジョー205 GTIを持っていて、ラリーカーに改造したんだ。正直、最高というわけではなかったけれど、乗り降りがしやすくて、レース向けにクロースレシオのギアボックスになっていて、改造の出来も悪くなかった。内装も取っ払ってベーシックにしてあったし、ああいうのになりたいね。本物のラリーカーじゃないけど、シャープなやつ。そういう車がいいかな。
今度は普通の質問ですが、あなたたち3人がキアの車で「トップ・ギア」のテストトラックを回ったら、誰がいちばん早いでしょう。ファンは大喜びだと思うんですが、それを番組でやらないのはなぜですか。
それはあえてやっていないんだ。1周のタイムを競うことはね。確かジェレミーが10年前にごく最初の頃のシーズンでやったと思うけど、それ以降はやってない。ランキングボードと「有名人レース」は、ゲストのスターのためのものであって、ぼくらのためのものじゃないからね。 もしぼくらがトラックでタイムを競ったら、ジェレミーは車をドリフトさせながら、騒ぎまくるだろうし、ジェームズはそういうことに対するアプローチがごく分析的で、研究にはげむだろうね。
あのトラックを人が運転するのを見てきたけど、最上の方法は、ただ静かにタイムを計測して、それについて考察することなんだ。ドリフトさせながら、助手席の窓から「パワー!」と叫ぶんじゃなくて。それはそれで見栄えはするけど、速くはないからね。ジェームズは、適切なライン取りをするけど、ひたすらのろのろ走るだろうね。実際のところはわからないけど。それに、やらないのは、怖いからでもあるね。どんな結果が出ても議論になって、レーシングドライバーの言い訳がいろいろ飛びだして、「出遅れた」とか「時計が壊れている」とか、言い争いになるだろうから。
「トップ・ギア」の長い歴史のなかで、お気に入りのゲストは誰ですか。
あのコーナーについては、ぼくはかやの外なんだ。ゲストは番組の前に、ジェレミーのビロード敷きのウィネベーゴに招き入れられて、その間ぼくは外でトラックの整備をしているから。
マイケル・ガンボンはずっと好きだったね。いつも愉快だし。本物の車好きで、本当にものすごく早くやって来るんだ。朝もやのなかでトラックに立って、これから挑もうとしているコーナーをじっと眺めていたり、誰彼かまわず話しかけて、車やら飛行機やらについてしゃべったりするんだ。うれしいことに、彼は本物だね。だから楽しいんだ。
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