第29話
サチュルトはプヨへの派兵を完全に拒否し、それに同調した宮中の家臣一同も決断の撤回を進言したことで、チンボンとイムドゥンの攻撃計画は壁にぶち当たる。そんなある日、プヨが漢に戦を挑むとの噂を聞き、自分も共に戦いたいと駆けつけたタムル軍の残党と古朝鮮の流民たちが宮殿の前に集まった。チュモンは戦の時機を逃すと不利になるとクムワに告げ、そして流民たちの熱い声に心を揺さぶられ、クムワはサチュルトの派兵は当てにせず、プヨの中央軍のみで戦うことを家臣たちに宣言する。
その後チュモンは、ヤンジョンによって鍛冶職人としてプヨに送り込まれ、指令を受けてクムワ暗殺を試みた漢の密偵たちを仕留める。彼らを流民と偽ってクムワに引き合わせていたテソは責任を問われて軟禁され、チュモンが取り調べに当たることになる。表面では友好を語りながら裏で王を暗殺しようとした漢の行為は許しがたく、これにより、チンボンとイムドゥン攻撃の大義名分を得たクムワは勢いを盛り返す。
王妃がテソの無実潔白をクムワに訴えるも、もはや死刑は確定かと思われたとき、ユファが一計を案ずる。ユファは王妃に「サチュルトに派兵をしてくれるならテソ王子の無罪放免を請け合う」と提案し、さらにチュモンにも「王に無実を報告する代わりに攻撃の先鋒に立つようテソ王子を説得せよ」と知恵を授ける。チュモンの提案に同意したテソは自分が先鋒として参戦する旨を伝え、クムワはこれを許可するが、クムワが先鋒隊長に任命したのはチュモンだった。
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