新旭川と網走を結ぶ石北本線は全長234キロ。北海道の屋根と呼ばれている雄大な大雪山系を眺めながら列車は石狩川に沿って遡行していく。層雲峡温泉の玄関口、上川駅を過ぎて、原生林に囲まれた深い山あいに入ると気動車はエンジンをうならせて、北海道内最高所の峠越えに挑む。石狩と北見を分かつ全長4329メートルの石北トンネルを抜けると列車は一気に勾配を下っていく。特急オホーツクの停車駅丸瀬布に着くと、駅舎に大きな蝶のモニュメントが。また、この町では地元の森林鉄道で走っていたSL「雨宮21号」が観光列車として走っている。丸瀬布は昆虫とSLの町なのだ。石北本線のほぼ中間に遠軽駅があり、この駅で列車の進行方向は逆になる。駅でスイッチバックをするのは、北海道でこの駅だけ。列車は南に進路を変え、一路終点の網走を目指す。