今回の2時間スペシャルは、北海道をぐるりと周遊する。先ずは、青函トンネルを抜けて江差線と接続する木古内へ。江差線は2014年5月に木古内~江差間が廃線となる予定だ。
2015年度には北海道新幹線が開通し、観光地である江差への足が便利になるだけに廃線は残念でならない。
 民謡江差追分で知られる江差町には北海道最古、蝦夷地の時代から伝わる夏祭り「姥神大神宮渡御祭」がある。絢爛豪華な山車13台が町内を巡行する。まるで祇園祭りを彷彿させる光景だ。
幕末、幕府の軍艦「開陽丸」が江差沖で沈没、その遺物を復元した「開陽丸」で展示している。また町内には、ニシン漁で栄華を極めた街並みも保存されており、歴史の浅い北海道にあって歴史を体感できる。
続いて津輕海峡に沿って伸びる江差線で函館へ。函館では、朝市や煉瓦倉庫、函館山ロープウエイなどの市内観光を路面電車に乗って巡る。
翌日はSLに乗って函館本線の森へ、この駅でいかめしを賞味し室蘭本線と接続する長万部では、かにめしを賞味する。いずれも全国に名の知れた駅弁だ。
室蘭本線では洞爺湖や登別温泉を訪ね、日高本線と接続する苫小牧で優駿浪漫号に乗り換え一路襟裳岬をめざす。再び苫小牧から千歳線を経由して札幌へ。札幌では煉瓦庁舎やサッポロビール博物館など北海道開拓の歴史を訪ねる。北海道開拓の村は見ものだ。
函館本線の終点旭川から北海道随一の観光路線、富良野線に乗り換える美瑛の丘や色彩の丘、富田フアームなど沿線は色とりどりの花が咲き誇る。
富良野から根室本線に乗って、帯広、釧路、浜中、そして終点の根室に向かう。
納沙布岬から、わが国の領土である歯舞諸島や国後島が手に取るように見えるが、いまだ日本の領土でない現実を突きつけられる。
釧路に戻って釧網本線の観光列車、釧路湿原ノロッコ号に乗車し人工物が全く見えない釧路湿原の大パノラマを鑑賞する。
摩周湖や知床半島など釧網本線は見どころがいっぱい。知床斜里からSLに乗ってオホーツク海を眺める。
ここまでくると最果ての地へやってきた実感がわく。網走では博物館になっている、かつての網走監獄を訪ね戦前の囚人たちの過酷な収監状況を垣間見る。
旅のしめくくりは、石北本線の北見から車で1時間の陸別町を訪ね本物の列車の運転を体験する。駅の構内だけだと思いきや、何と本線に・・・。
雄大な北の大地を走る鉄道。北海道は鉄道の旅の魅力を十分に満たしてくれる。