開業から5周年を迎えた阪神なんば線。神戸の元町から出発し、尼崎で阪神本線と分かれ、大阪難波駅へ向かう阪神電鉄の最も新しい路線である。
鉄道の発達した大阪において阪神なんば線は、神戸などの関西西部から、大阪ミナミへ初めて直通で行く事が出来るようになった画期的な路線である。
かつて大阪市内中心部は大阪市営電車だけが営業し、国鉄や私鉄は営業ができずにいた。100年の歴史を誇る阪神にとって、大阪ミナミに電車を走らせることは、開業以来の悲願であった。
戦前戦後を通じて、幾度となく計画された大阪のミナミを通る路線計画。そこには悲願を達成するための関係者たちの苦闘の物語があった。