JR西日本の一大プロジェクト、次世代新幹線500系。高速試験車両WIN350は当時の国内最高運転速度350.4kmを記録。しかし高速走行時の騒音問題は依然として解決できずにいた。
騒音基準値をクリアするために、構造が複雑で気流が乱れ大きな騒音が発生するパンタグラフの改良が行われた。試行錯誤の末、解決のヒントをもたらしたのは、ある鳥の翼の構造であった。
さらに解決しなければいけないもう一つの騒音問題があった。それはトンネル侵入時の気圧の変化によって起こるもので、従来の形状ではトンネル出口から大きな音が発生してしまうのである。問題解決のために鉄道総合研究所、航空宇宙技術研究所の協力を得て空気抵抗の減少を実現。他にも車体に特殊な構造を採用するなど徹底的な高速化を図った。
JR西日本の一大挑戦により、人々を魅了した未来の新幹線が生み出された。