国鉄分割民営化による後継のJR西日本は、他のJR各社に比べ発足当初から不採算路線を多く抱えていたため、独自の生き残る道を模索。収入の4割を占めていた新幹線の抜本的な改革を行うこととなった。山陽新幹線の高速化である。
計画当初は既存の100系新幹線の改良による高速化、時速270km運転が目標であったが、途上で予想外の騒音問題が噴出。既存の車両ではこの問題を解決できないため、独自の次世代新幹線500系の開発を決断した。
山陽新幹線区間の理論上最高速度350km、営業運転は日本初の300kmを目指し、平成4年に各部門の精鋭スタッフが集結した試験実施部を設置。常識を越えた挑戦の始まりであった。