第85回「木曽駒ケ岳・夏」

長野県の上松町・木曽町・宮田村にまたがる中央アルプスの最高峰・木曽駒ヶ岳(標高 2, 956 m)。高山植物の宝庫であり、ロープウェイを利用して手軽に雲上の絶景が楽しめることで初心者にも人気のこの山。氷河で削られた千畳敷カールや、切り立った迫力ある宝剣岳など見どころも満載だ。
今回は駒ヶ根市で建設会社を営み主に山小屋の建設や改修を行う傍ら、登山ガイドとして中学校の学校登山の案内を長年務めて来た林博文さんに、この山を案内してもらう。木曽駒ヶ岳には、数えきれないほど登っているエキスパートの林さん。駒ヶ岳ロープウェイができる前まで定番の登山道だったクラシックルートでともに山頂を目指す。
1日目は、桂小場登山口から樹林帯を進み、森林限界を超えると目の前に御嶽山が見えてくる。そして、眺めのいい将棊頭山のそばに建つ西駒山荘に宿泊。林さんが定期的に改修を行っているこの山荘は大正時代に起こった遭難事故の教訓を得て建てられた山小屋。道中には遭難記念碑が立っており、新田次郎「聖職の碑」の小説はこの事件が元に作られた。
今でも学校登山は盛んに行われていて、登山を通じて体力を鍛え、山の中で困難な場面に出会っても、それを乗り越える気力を養うという精神は、脈々と受け継がれている。
2日目は西駒山荘から木曽駒ヶ岳山頂へ向かう。氷河で削れてできたという濃ヶ池などを通り木曽駒ヶ岳の山頂を目指す。
ほか笠ヶ岳の絶景も!