第84回「焼岳」

長野県と岐阜県にまたがる焼岳(標高 2,455 m)は、今も噴煙を上げる活火山。南峰(2,455 m)は登山禁止のため、登れるのは北峰(2,393 m)のみ 。麓には上高地温泉や中の湯温泉など多くの天然温泉を擁し、山岳リゾート地として知られる大正池も、大正15年の噴火で清流・ 梓川がせき止められて生まれた。
山頂からは、雄大な槍ヶ岳・穂高連峰などが一望でき360度の絶景が堪能できる 。
今回、案内してくれるのは北アルプスの山小屋で、通年営業する西穂山荘の支配人・粟澤徹さん。松本市出身の粟澤さんは信州大学を卒業後 、プロボクサーを目指していたが、西穂山荘の先代主人の娘さんと結婚し登山を始める。山荘勤めをはじめた後、北アルプスの遭難数の多さに直面し、遭難を防ぐために気象を学びたいと猛勉強の末、気象予報士の資格を取得。山荘経営の傍ら、山の天気や山の安全についての講演を全国で行っている。そんな粟澤さんと共に、焼岳の魅力を楽しむ。
1日目は新緑が美しい上高地から出発。焼岳が噴火してできた大正池に立ち寄り、雄大な焼岳や穂高連峰を眺める。登山口から標高差900mを登り案内の粟沢徹さんが支配人を務める西穂山荘へ宿泊。西穂山荘名物の西穂らーめんも紹介。
そして2日目は西穂高岳から焼岳へ続くアップダウンの多い稜線を歩き、焼岳山頂へ。山頂からの大展望のほか、サンカヨウやタカネザクラなど雪解け直後の生き生きとした花々にも注目。
気象予報士でもある粟澤さんに、山の天気を予測する大切さやポイントなどを教えてもらう。