栃木県の中西部、日光市にある標高2486mの男体山(なんたいさん)。別名「日光富士」とも呼ばれ、日光連山を代表する百名山。この山は延暦元年(782)、勝道上人によって開山された山岳信仰の山で、山域全体が日光二荒山神社の境内となっている。
山頂部は大きな火口がありその直径は1km、深さは200mに及ぶ。ふもとに広がる中禅寺湖や竜頭の滝、戦場ヶ原は、男体山の噴火活動によりできたもの。男体山は奥日光の地形を作ったシンボル的な山となっている。
山頂からは日光白根山、燧ヶ岳や谷川連峰、遠くには北アルプスや富士山も一望でき、360度絶景のパノラマビューを満喫できる。
今回は登山ガイド・田村茂樹さんの案内でこの百名山を登る。京大卒で山伏でもある異色の登山ガイドの田村さん。京都大学大学院では地質学や地形学を学び、生き方に悩んでいた自分を救ってくれた山に恩返ししたいと登山ガイドになった。
特に山の歴史や信仰に興味があり、山伏修行は毎年行っている。フィールドは街歩きからバリエーションルートまで幅広い。
1日目は男体山や女峰山など日光の山々が一望できる太郎山(標高2368m)まで足を運ぶ。
2日目はいよいよ男体山へ。二荒山神社の登拝所で拝観料を払い、入山。山頂までの標高差は約1200mと、修験の山らしい厳しい山道が続く。
田村さんは山伏の正装である白装束姿で男体山を登る。
4合目までは美しいブナやミズナラなどの新緑を楽しむ。見頃を迎えたシロヤシオの美しさも見どころ。7合目以降は大きな岩が広がり、傾斜のきついガレ場をひたすら登って山頂へ。山頂からは360度の大展望を堪能する。