第77回「霧島山・春」

鹿児島県霧島市と宮崎県えびの市にまたがる霧島山。
20余りの山が連なり、2011年に噴火した新燃岳や、2018年に噴火した硫黄山など、今なお火山活動を続ける日本でも有数の火山群だ。
また、坂本龍馬が妻・お龍と新婚旅行に訪れた地としても知られ、特に5月〜6月の初夏に咲くミヤマキリシマを求めて全国から観光客が訪れる。山頂からは、桜島や阿蘇山など、南九州の山々が360度見渡せ、遠く南の洋上には屋久島まで望むことができる。
この山を案内してくれるのはガイド歴11年の馬場緑さん。宮崎県えびの市出身でえびの市観光協会に勤務する馬場さんは、“毎週必ず韓国岳に登る”ネイチャーガイド。13年前に乳がんを患いリハビリのために始めた登山で、地元・霧島山の自然に魅了された。それまで一度も登山をしたことはなかったが、霧島山に出会ったことで「命を救われた」と感じているという。
それまでの仕事をやめ、ネイチャーガイドの資格をとった。霧島山のガイドを務める傍ら、九州大学と共同で火山調査も行っている。馬場さんにとって霧島山は“元気を与えてくれる場所”だ。
今回は麓の霧島温泉郷を起点に、ミヤマキリシマが見頃を迎える高千穂峰(標高1574m)を1日目に、そして2日目には霧島山の最高峰・韓国岳 (標高1700m)を、1日1座ずつ目指す。