第68回「鹿島槍ヶ岳・夏」

夏、立山連峰と後立山連峰にはさまれた黒部ダムには多くの観光客が訪れる。
そんな日本を代表するダムに近い後立山連峰の盟主・鹿島槍ヶ岳もまた、多くの登山者で賑わいを見せる。
しかし8月もお盆を過ぎると山には静寂が訪れ、高山植物は徐々に実をつけ始め、秋の紅葉に向け徐々に色づき始める。
夏の終わり、季節が移り変わる様子が美しい鹿島槍ヶ岳を紹介。

富山県と長野県の県境に位置し、双耳峰の山として知られる鹿島槍ヶ岳(標高2,889m)。
深田久弥はこの山の姿をたいそう気に入っていて、鹿島槍ヶ岳を描いた絵画を部屋に飾っていたほどだ。
その姿を、「北槍と南槍の両脇がキッとせり上がっていて、その二つをつなぐ、やや傾いだ吊尾根、その品のいい美しさは見飽きることがない」と語っている。

今回の山の案内人は、登山ガイドの佐藤久子さん(71歳)と泉砂智さん(59歳)
二人とも登山ガイド歴は20年以上。白馬山案内人組合に所属し、夏の登山シーズン中はほとんど白馬岳周辺のガイドをして過ごすそう。
今回は、シーズン終わりに二人で登るプライベート山行に同行。
女性だからこその山の楽しみ方や感じ方などを交えつつ、後立山連峰に精通したガイドならではの情報が満載。
そんな二人の案内で、柏原新道登山口から爺ヶ岳を越え、鹿島槍ヶ岳の頂上を縦走しながら目指す。
果たして今回はどんな絶景をみることができるのか?