大山は、西からは出雲冨士とも称される優美な姿が見られるが、一方、日本海を背に北から見上げる姿というと同じ山とは思えない壮絶な断崖をかけてそそり立っている。 二つの顔を持つ大山。 冬、大山には夏と同じ一般登山道から、多くの登山者が登ってきていました。しかし、本気で大山に抱かれようとするならば…北壁を登りましょう!と、誘ってくれたのは、神戸在住で関西を代表する山岳ガイド、笹倉孝昭さん(48)。撮影チームはカメラを手に、切り立つ北壁の登攀にチャレンジ! 季節風をまともに受け、極端に晴天率の低い冬の大山ですが、無事、壁からの登頂に成功!そしてそのまま頂上で一泊、すると今度は、これ以上ないという、夜と朝の大山の絶景に出会うことが出来たのです。 その大山の姿を誰よりも感慨深げに見つめる笹倉さん。実はこの日のちょうど20年前、神戸の自宅で、あの阪神大震災に遭遇していたのです。笹倉さんにとって大山は、震災を乗り越えた命を、再び輝かせてくれた山でもあったのです…。