関東平野の北西部に広がる奥秩父山塊。たおやかな山々を眺めていくと、突如、ひとつだけ、存在感を際立たせる山が目に飛び込んできます。両神山(りょうかみさん)、標高1723M。砦のようにそそり立つ岩肌、他の山とは一線を画す、特異な山容。四方に延びる、荒々しい、のこぎりの歯のような尾根。そんな容姿の山、両神山につけられたニックネームは…。「秩父の怪峰」、「奥秩父の異端児」、「首都圏の秘境」!! 百名山でありながら、頂に立つためには一般登山道でさえ岩場の難所を越えねばならない両神山。今回のルートは、2日間をかけ、西から東へ、ロープを結び、困難なギザギザ尾根を越えて行く、スリリングな上級者コース! ガイドを引き受けてくれたのは、ツヴェート・ポドロガルさん(57)。岩と氷河の、本場アルプスの峰々を擁する中央ヨーロッパ・スロヴェニア出身。冬季オリンピックにも出場したアスリートでありながら、日本在住すでに24年。なぜ、そんな方が苔と森の奥秩父に? そしてもう一つの見どころは、“燃える両神山”。山頂付近から山裾まですべてを覆う紅葉。見事な錦秋の絶景を、登山者たちはそう呼んでいました。さらに両神山ならではの山の幸も…! 山、高きが故に、貴からず。このことわざ通りの両神山、知られざる“東京から至近の秘境”をお楽しみください!