南北60キロ、東西40キロにも及ぶ、日本海を見下ろす遥かなる山並み、それが朝日連峰です。山形県と新潟県の境を成す一大山塊、東北有数の奥深さ、険しさを誇っています。最高峰は大朝日岳・標高1870M。しかしその頂も、大きな山塊を形作るほんの一部分にしか見えません。 今回、朝日連峰を案内してくれるのは遠藤博隆さん(63)。稜線の要所にある竜門山避難小屋の管理人でもあります。その遠藤さんいわく、「縦走してこそ朝日連峰、長い尾根を辿ってこそ良さがわかる」と、推薦してくれたコースは、最低でも撮影に3泊4日はかかる長大な道でした! 朝日連峰に足を踏み入れた10月初めは、全山紅葉真っ盛り!見事な色彩に包まれた尾根道、大展望を道連れにしながらの縦走。古代に隆起した山並みはおおらかに広がり、美しい池塘や雪渓が彩りを添えていました。 しかし“朝日連峰の良さ”は目に見える景色だけではなく、心で見る景色。遠藤さんはこう言います。「この長い長い道をゆく時、誰もが自分に語りかけながら登るはず。足元を確かめ、人生を確かめて歩くことが出来る、朝日の山々はその時間をくれるのです。」遠藤さんもこの朝日連峰で世界の高峰への夢を育んだ一人でした…。