オホーツク海に、獣の角(つの)のように突き出した知床半島。言わずと知れた世界自然遺産の登録地です。「知床 地の涯の山 後編」は、知床半島中央部に背骨のように連なる知床連山を大縦走します! 百名山に数えられる、盟主・羅臼岳から北東へ伸びる稜線は、常に強い風が通りぬける、世界自然遺産の核心部。ガイドの滝澤大徳さんにまず教えてもらったのは、クマ撃退スプレーの使い方でした。その数600頭とも言われる世界でも有数のヒグマの生息地、知床。でも知床の全てを知る滝澤さんは、「何があっても、全てクマが決めること、人間が決めることではない」と、サラリ…。 会わずにすむならそれが一番…と、それだけを頭に緊張感を持って臨んだ連山の縦走、しかしそれは、まさにこの知床核心部だけの、大絶景の連続でした! 青き神秘の水をたたえる雲上の池。日本で知床連山だけに咲く、奇跡の白き花。爆裂火口が作りだした壮絶な尾根道。輝く、オホーツクの海に落ちる夕日。素晴らしい眺めに酔いしれ、その存在をつい忘れてしまっていた頃に…。出会ってしまいました、ヒグマ! 息をのむ大自然、比類なき原生の姿。人と野生が交差する唯一の地。そのすべてが、カメラの前にありました…。