第39回「赤城山・冬」

 冬山登山と聞くと、多くの方は寒い…危ないと思ってしまうかもしれませんが、初心者でも雪山登山にチャレンジできるのが「赤城の山も今宵限り…」の名文句で知られる関東平野の北にそびえる名峰・赤城山。50万年前から続く火山活動で形成されたこの山はカルデラの周囲をいくつもの峰々が取り囲み、「赤城山」はその総称です。  懐まで車道が伸び、春から秋にかけては観光客で賑わう山ではありますが、雪の季節になれば日本のウインタースポーツを育んだ歴史を秘める白い姿に変わります。その最大の魅力は何と言っても大展望!特に空気の澄んだ冬は素晴らしい絶景が!
 最高峰・黒檜山(くろびやま/標高1828m)からは尾瀬や上信越、北アルプスに至るまでの360度の圧巻の大パノラマ、南の鍋割山(標高1332m)からは、広大な関東平野を照らし出す荘厳な朝日…。
 「それほどの絶景をこの赤城山なら初めて冬山登山をする人でも味わえますよ」と語るのが、20年以上も寄り添ってきた地元のガイド喜多山寛さん(67)。冬の赤城山が持つ、まさに“誰もが手の届く”雪山の醍醐味を一緒にご堪能ください。