幾重にも折り重なる山並みで、水墨画を想起させる大峰山脈。
そこには、役行者によって開かれた修験道・大峰奥駆道(おくがけみち)が伸びている。奈良県の吉野と和歌山県の熊野を結び、世界遺産にも登録される古道。その中央部にそびえるのが、日本百名山になっている八経が岳・標高1915M。大峰山脈で最も高く、近畿地方の最高峰。日帰りコースもあるが、今回のルートは、最も大峰山らしいルートという双門コースへ。ほとんどが、切れ落ちた岩場のクサリ、無数の垂直のはしごという、国内最難関の一般登山道。だが、渓谷に沿って登る絶景のコースでもある。特に、70Mを垂直に落ちる双門の滝は圧巻。
ガイドの西岡満さんは、大峰の山々に人生を捧げた元・大峰の山小屋の管理人。紀伊半島大水害という壮絶な試練も乗り越えた山守の言葉が歴史の山に響く。