エコーライン、スカイラインが山上へ伸び、夏にはバスなどで雲の上の別天地へ、誰もが行くことの出来るのが長野県・岐阜県にまたがってそびえる乗鞍岳。北アルプスの南端に位置し、標高も3026Mと、日本に21座ある3000M峰のひとつ。その山容はとにかく大きく広く。最高点の剣ガ峰をはじめ、南北に23あると言われる峰々が頂上を形成している。
しかし道が閉ざされる積雪期は観光客の姿は消え、歓声が響いたバスターミナルや売店も雪に埋まる。その乗鞍岳で唯一、冬も営業しているのが、標高2350Mに建つ位ヶ原山荘。御主人の六辻徹夫さん(45)は、ぜひ雪の季節の素晴らしい絶景に接してほしい、そして小屋さえ開いていればいざという時も登山者を助けることもできると、7年前からストーブに火を灯し続けている。
今回は六辻さんにガイドされ、春の訪れを感じる乗鞍岳にスキー登山。だが、独立峰の乗鞍岳は風が強いことでも有名。撮影時も20Mを越す強風となり頂へ到達できるかという不安の中の登りとなったが、出迎えてくれたのは厳しかった冬から春へと移りゆく自然の絶景だった…。