日本でここだけの景観…といっても決して過言ではない絶景を持つ山、それが、信州と越後にまたがる名峰・苗場山(標高2145m)。その絶景をなすのは、特異な形の頂上に展開される、南北4キロ・東西1キロにおよぶという大湿原。春から夏には色とりどりの高山植物が咲き誇り、秋には黄金色の草もみじと鮮やかな紅葉樹に包まれる。まさに苗場山ならではの他に類を見ない高層湿原。
そのとりこになって38年、ずっとカメラを向け続けた地元の写真家が飯塚英春さん。自らの写真集の中で、苗場山の山頂湿原を“天空の楽園”と名付けた飯塚さん、しかしその写真集にはなぜか、山の作品と共に、山麓の寒村・秋山郷の村人たちの頑張りや笑顔も一緒に映し出されていた。
今回は、飯塚さんと共に新潟県側、長野県側のふたつのルートから苗場山に登り、紅葉の大湿原の絶景を堪能、同時に、切っても切れない苗場山と秋山郷の人々との温かくも厳しいつながりをお聞きする。