第3回「八ヶ岳・冬」

 今回は、厳しくも美しい純白の装いをまとった信州・八ヶ岳を訪れる。

 八ヶ岳を一層特色あるものにしているのは、急峻な壁と、冬の厳しい気候で氷結する谷の存在。夏、壁にかかるいくつもの滝やしみ出す水流が、冬、氷点下20度にもなる寒気で徐々に徐々に凍りつき、やがて“氷爆(ひょうばく)”と呼ばれる氷結した大きな滝へと変貌する。その“凍る谷”の絶景を堪能するには、アイスクライミングという特殊な道具を駆使して垂直の氷爆群を登る技術がなければならない。
 今回は、八ヶ岳を知り尽くしたガイド・竹内敬一さんのガイドのもと、普通では見ることのできない、凍りつく谷の偉容をあますところなくお届けする。