イントロダクション
イントロダクションあらすじ用語解説

『イ・サン(正祖)』『トンイ』『王女の男』の時代、朝鮮王朝の始まりを描く!

『朱蒙[チュモン]』や『善徳女王』など、古代を舞台にした作品も多く作られてはいるが、最もメジャーなのはやはり朝鮮王朝時代。『宮廷女官チャングムの誓い』をはじめ、大人気時代劇の『イ・サン(正祖)』『トンイ』『王女の男』、最新時代劇『太陽を抱く月』まで、舞台はいずれも朝鮮王朝時代だ。1392年の建国から1910年の滅亡まで、500年以上にわたって続き、27人の王によって治められた朝鮮王朝は、残されている記録も多く、現在の韓国における伝統文化の多くが誕生した時代であり、韓国の歴史の中で最もポピュラーな時代なのである。日本でいえば江戸時代に相当する、時代劇の定番ともいえる時代であるが、そんな朝鮮王朝の幕開けを描いたのが、本作『大風水』だ。実は、朝鮮王朝の幕開けを描いた時代劇というのは数が少なく、1996〜98年放送の『龍の涙』以来、約15年ぶりのこと。しかも、イ・ソンゲが末期の高麗政府の中で台頭してゆく過程というのは、『龍の涙』でも描かれておらず、非常に貴重。時代劇ではおなじみの朝鮮王朝が、いかにして誕生したのか、実は知られていなかった朝鮮王朝建国の過程が、本作を見れば非常によく分かるだろう。

『鉄の王 キム・スロ』チソン、『トンイ』チ・ジニ、『イ・サン(正祖)』ソン・チャンウィ、
豪華キャストが勢ぞろい!

主演級の俳優3人の共演も、本作の注目ポイントだ。主人公の風水師モク・チサン役を演じたのは、『ニューハート』『鉄の王 キム・スロ』『ボスを守れ』などのチソン。『鉄の王 キム・スロ』では建国者を演じたチソンが、今度は建国者を側で支える役を演じている。天賦の才能を持つ学者というキャラクターと、『ボスを守れ』で見せたような問題児キャラを見事に両立させ、難解になりがちな風水というテーマを、軽いタッチで描くことに成功している。一方、主人公のライバルとなるイ・ジョングン役には、『イ・サン(正祖)』のチョン・ヤギョン役のほか、『神の天秤』『オレのことスキでしょ』『シンドローム』などでおなじみのソン・チャンウィ。『イ・サン(正祖)』では珍しくコミカルなエリート役を演じたソン・チャンウィだが、本作のような不遇なエリート役の方が、彼らしい役柄といえるだろう。そして何より注目なのは、朝鮮王朝の建国者であるイ・ソンゲ役を演じたチ・ジニ。『トンイ』では朝鮮王朝19代王・粛宗(スクチョン)役を演じたチ・ジニが、今度は初代王・太祖(テジョ)ことイ・ソンゲを演じるということで、放送前から話題を集めていた。『トンイ』で見せた“お茶目な粛宗(スクチョン)”の姿をさらに発展させて、“遊び人のイ・ソンゲ”の姿を熱演。建国の祖であり、偉大なる王という既存のイメージを破ることに成功した。また初登場シーンで見せた野人姿には、多くの視聴者が「これが本当にチ・ジニ!?」と驚かされた。このほか主演女優陣では、ヒロインとなるユン・ヘイン役を『IRIS[アイリス]』『検事プリンセス』などのキム・ソヨン、悲惨な境遇から野心家へと変貌するパニャ役を『大王世宗[テワンセジョン]』『キング〜Two Hearts』のイ・ユンジが、それぞれ務めた。


『イルジメ~一枝梅~』イ・ヨンソク演出、
味のある脇役陣も魅力!

イ・ジュンギ主演で人気を集めた時代劇『イルジメ〜一枝梅〜』の演出家として知られる、イ・ヨンソクが本作の演出を担当。主人公の育ての親役に、コミカルな演技で名脇役として人気の高いイ・ムンシク、師匠でもある型破りな僧侶役に、他の時代劇では刺客役などでおなじみのアン・ギルガンなど、『イルジメ〜一枝梅〜』を彷彿とさせる脇役陣に、思わずニヤリとさせられるだろう。また、モク・チサンの実母でありイ・ジョングンの育ての母であるワン・ヨンジ役にイ・スンヨン、イ・ジョングンの実母であり高麗の命運を左右する国巫スリョンゲ役にオ・ヒョンギョンという、スキャンダル多き二大女優の起用も話題を呼んだ。この二人と、『善徳女王』『私も花!』などのチョ・ミンギ演ずる権臣イ・イニムによる、中年世代のドロドロな三角関係も目が離せない。このほか、1話から8話まで若い頃のワン・ヨンジ役を、ソン・ユリと同じアイドルグループFin.K.L出身のイ・ジンが熱演。序盤の中核人物として活躍し、2012年のSBS演技大賞・特別演技賞に輝いた。同じFin.K.L出身のボーカリスト、オク・チュヒョンによるテーマソングも人気を集めた。

いかにしてソウルが作られたのか?
風水がテーマの新感覚時代劇!

『大風水』というタイトル通り、本作のテーマは“風水”だ。風水というと、現代の日本では「西に黄色の物を置くと金運がアップ!」などといったイメージがあるが、本来の風水とは、どのような土地に都市や建物を建てればよいかということを研究する、立派な学問であった。今でいう、地政学や地理学に相当するものと考えればいいだろう。本作は、この風水という観点から、高麗(コリョ)の滅亡と朝鮮王朝の建国を描いた作品。歴史上の事件をただ単に追いかけるのではなく、風水と歴史との関わりをメインテーマに持ってきたところが新鮮だ。実際に、朝鮮王朝の首都・漢陽(ハニャン)の造営には風水が深く関わっており、風水によって一国の首都にふさわしい場所として選ばれたといわれる。この漢陽(ハニャン)が、現在の韓国の首都・ソウルである。その歴史は日本の首都・東京よりも古く、14世紀末から現在に至るまで、600年以上にわたって朝鮮半島の中心地として栄えてきた。今や約1000万人の人口を抱える、世界有数の超巨大都市として発展したソウル。そのソウルの幕開けが、ここにある。