＜午後の名作ドラマ劇場＞『腕まくり看護婦物語10～婦長旋風編～』

　十条病院では、近く総婦長が引退し、内科婦長が昇格する。内科主任看護婦の妙子（泉ピン子）は、内科部長の庄司（三上直也）や五十嵐医師（秋野太作）から次の婦長に推薦することを告げられる。だが、妙子には婦長就任にためらいがある。　家庭では義母の綾（野村昭子）に家出され、職場では新人看護婦のまどか（吉野公佳）や研修医の水原（堀江慶）の起こすトラブルに悩まされているせいもある。
　ある日、巣鴨へ出かけた妙子は、祈祷師に変身した綾を見かけ、自宅に連れ戻る。その夜、病院の勤務についた妙子は、死体に驚いて失神したまどかを収容した病室で、かつての婦長小堀貞子（池内淳子）に声をかけられる。
　妙子が婦長就任にためらっているのは、元婦長の貞子に厳しく鍛えられたのが原因。その貞子は末期ガン。自分でも分かっているが、2日後の外出許可を申し出る。自閉症で三浦半島の施設にいる息子春樹（尾美としのり）の面会日だった。
　貞子に代わって三浦半島の施設へ出かけた妙子は、外へ出たがらない春樹をやっと連れ出すことに成功する。貞子の手術の日だった。手術は成功するが、貞子は亡くなる。遺された手紙を読んだ妙子は、正式に婦長就任を断わるのだった。