『辻井伸行in富士山河口湖ピアノフェスティバル 2022』

BSフジ初回放送:2022年12月27日

  2022年9月に開催された「富士山河口湖ピアノフェスティバル2022」で、中心的な役割を果たした辻井伸行の挑戦を追う音楽ドキュメンタリー。

 今年9月、富士山の麓でピアノフェスティバルが大盛況で幕を閉じた。去年に続き2回目の開催となった富士山河口湖ピアノフェスティバル。辻井伸行がピアニスト・レジデンスとして中心的な役割を果たす、これまで日本になかったピアノを中心とした音楽祭。無料のピクニックコンサートや100名限定のプレミアムリサイタル、さらに富士山が見えるメイン会場のステラシアターなど様々な会場でピアノソロや管楽器、弦楽器との共演など、ピアノのさまざまな魅力を堪能できる。

  今回のみどころは、豪華な出演アーティストと公演内容だ。目玉となったのは、長年にわたり日本のジャズ界を牽引し続けてきたジャズピアニストの山下洋輔。今年80歳を迎えた山下は台風の影響で前日の到着が叶わず、新幹線での車中泊となったが、出演の数時間前に到着したにも関わらず、その疲れを感じさせない熱い演奏で観客を盛り上げた。さらに、山下は最終日に行われたピクニックコンサートにも飛び入り参加。辻井の呼びかけで実現したサプライズの即興連弾に、盛り上がりは音楽史に残るであろう。

  そして、このピアノフェスティバルを支えているのは地元の住民たち。フェスティバルを応援し「一緒に町を盛り上げたい」と地元の鉄道会社は、辻井伸行のイラストをヘッドマークにつけたコラボトレインを運行。さらに、地元のコンビニもフェスティバルのポスターを店内中に張り巡らし、盛り上げようとしていた。また、地元住民の想いを知った辻井は、地元の小学生を対象とした音楽教室を開催。市内3つの小学校から約200人の子どもたちが参加。ピアノに触ったことのない子供たちと即興で連弾するなど、ピアノの楽しさを伝えた辻井。「なんでもいいので自分が好きなことを見つけてくれたら嬉しい」と子どもたちにエールを送った。

  辻井は番組のインタビューで、「富士山河口湖ピアノフェスティバルを毎年恒例のイベントとして定着させ、ピアノ文化を根付かせるためには大事な2年目」「そのためにも必ず大成功で終わるために頑張りたい」と語った。

  ピアニスト辻井伸行の4日間にわたる挑戦に密着した音楽ドキュメンタリー番組。果たして、どんな出会いと感動が待っているのだろうか?

<共演者>
辻井伸行
山下洋輔
加古 隆
菊池洋子
川久保賜紀
遠藤真理
三浦友理枝
大井剛史 指揮・東京佼成ウインドオーケストラ