株式会社ビーエスフジ
番組審議会 議事概要
第115回
- 開催年月日
- 開催年月日 2025年1月8日(水)
- 開催場所
- 東京都港区台場2丁目6番8号
グランドニッコー東京 台場 - 委員総数
- 7名
- 出席委員数
- 7名
- 出席委員(敬称略)
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音 好宏 委員長/上智大学 教授 三屋 裕子 副委員長/(公財)日本バスケットボール協会 会長 林 高広 副委員長/㈱ギンザのサヱグサ 取締役・未来創造室室長 加藤 義人 ㈱テレビマンユニオン 副会長 三田 寛子 女優・タレント 髙橋 ゆき ㈱ベアーズ 取締役副社長 沢辺 隆雄 ㈱産業経済新聞社 論説委員 - 審議事項(2K・4K)
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BSフジならびにBSの2K、4K放送全般について
議事の概要
委員の発言の概要は以下の通り。
- 今年もBSフジに期待することは「心に響く物語」、「ストーリー性の追求」、「地域の魅力」、そして、そこに生きる職人さん達などに光を当てるような番組をお願いしたい。
- 12月27日放送『日本遺産物語 佐渡島の金山』では、ロボットでの「金の鉱脈を探る坑道」の調査で、古地図の正確さや精密さが分かったし、かつての日本の技術力の高さに触れられた、良い視点だと思う。番組のナビゲーターは「取材先の魅力を発信する役割」、もしくは「取材先に惹かれて旅する人、興味をつないでいく人」のいずれかの役割があると思う。今回の出演者の衣装計画や取材対応については、異物感があって面白かったが、工夫は必要かと思う。
- 1月4日放送『太田光のテレビの向こうで』では、今、テレビ全般で見られる、「エピソード」や「大喜利」などを速射砲で切り返していくトーク番組と違い「おしゃべり」という概念を大事にしていると感じた。「おしゃべり」は、その人の知性やボキャブラリー、ユーモア、毒、相手に対する敬意みたいなものが見え隠れするので、本人の経験や教養があらわになってしまう怖い部分もある。その点では、番組で強調する押しつけのナレーションもなく、良い意味で番組の引き算が上手くいっている。
- 毎年言われていることだが、テレビは正念場であると思う。昨今メディアや各自の志向が分断されているという時代に入り、「自らに必要なものを必要な時に満たそうとする現代人の欲望」に対してメディアに求められるものは何なのか。我々はどういう一歩を踏み出すべきなのかを考えさせられる。
- このところ地上波の番組、特に年末年始の番組には力が無くなっていると感じるが、だからと言ってBSがすごく面白くなっているというのもちょっと違う。年末年始は、テレビの視聴時間とか視聴の態度が普段と全然違うので、BSにとってはすごくいいチャンスだと思う。
- 良いコンテンツだったら再放送だけでなくシリーズの一挙放送や総集編などを放送することで、レギュラー番組の良いPRになると思う。
- 地上波には年末年始のこの日この時間のキラーコンテンツはあるし、視聴者は興味があれば見る。そのため「BSフジの年末年始はこれだ」という看板番組を早く作り、育て上げて編成してほしい。
- 1月4日放送『実況解説野球旅~プロ野球88年世代旅』から『The GAME』と野球関連の番組を連続させたことは、野球ファンが長時間見てしまう編成でよかった。
- 1月5日放送『ゴルフ トリプルマッチ』(総集編)は、心理的なことも含めたプロの解説や、MCがキャディーという事で深い話が出てくるので、ゴルフ脳が高まるすごく良い番組だった。しかしタイトルが、普通のゴルフ番組と思ってしまうので、もっとオリジナル性のあるタイトルに変えても良いと思う。
- 『飯島直子の今夜一杯いっちゃう?』は、他局と異なり良い色気のある番組になってきている。
- 年末年始に放送するレギュラー番組の拡大版や特別番組では、もっと番組内でレギュラー番組の告知をしてもいいと思う。
- 日本の昔のドラマ、海外作品、そして地上波で現在放送中のドラマが、あっという間にインターネット配信されてきていることを考えると、例えば『ビルぶら!』や『植野食堂』といった、ちょっとニッチな見方や、拘りを持つ人がぐっとハマってしまうという、TVの見方に勝機があると思う。万人受けするというよりも、拘りを持った人が拘りを持った目線で楽しむという、番組の作り方ができたら面白いと思う。TVモニターをテレビ局とネット配信社で奪い合う状況なので、是非「BSならでは」の、あっというような視点の番組を作っていただきたいし、BSの役割を明確にしたほうがいい。
- 12月31日放送『全日本フィギュアスケート選手権2024 総集編』は、選手たちの努力の結晶が見えて、ミラノオリンピックの期待も高まった。
- 1月3日放送『辻井伸行のピアノがサントリーホールに響く』では、バイオリニストの三浦文彰さんとのエピソードが紹介されたり、普段のリスペクトし合う間柄でありながら、音楽となると2人は言葉じゃなくて、音で会話しているというのが印象に残った。
- 1月5日放送『飯島直子の今夜一杯いっちゃう?』では、BSフジでしか見られない飯島さんの姿が映し出されていたと思う。
- 12月31日、NHK『紅白歌合戦』の裏番組として放送された『令和の法隆寺』では、聖徳太子とのつながりとか法隆寺の裏側も見られて、楽しめた番組だった。
- 激動の時代であり、今年は戦後80年になるので『プライムニュース』には、特に期待している。いろんな本音を交えてじっくり語ってくれる番組であり、内容だけでなく、新しい若い識者の発掘も含めて期待している。
- 番組PRをもう少ししたほうが視聴者は、アクセスしやすいんじゃないかと思う。
- 日本の放送の歴史の中で、衛星放送サービスは非常に挑戦的であり、何か新しいものを切り開くチャンネルだと思っている。
【4K放送について】
- 『プライムニュース』は、早朝の4K再放送を視聴しているが、YouTubeでのハイライトが配信されると「YouTubeって簡単だな」とも感じる。4Kの在り方も含めて、BSから溢れ出るような形でのメディア展開や可能性についてこれまで以上に議論されることを期待したい。
- 『坂の上の雲』をNHKが4K放送したが、初回放送が20年くらい前なのにデジタル処理が上手く、良い感じだった。4K処理をする技術、編成の意気込みはBSならではと感じた。
これらの意見に対して事業者側からは以下のような回答があった。
- 今回の年末年始は、『踊る大捜査線』の一挙放送やフィギュアスケート、バドミントン等のスポーツコンテンツの放送や『中村勘九郎 中村七之助 中村鶴松 華の新春 KABUKI 2025』や、辻井伸行さんの音楽ドキュメンタリー、『日本遺産物語』、『実況解説野球旅』といった地上波とは一味違ったBSならではのじっくりゆったり、深く楽しめるオリジナルなものを編成した。
- 年末年始のレギュラー番組の拡大編成について、『レジェン堂』、『脳ベルSHOW』、『飯島直子』等、4つの軸を持って特別編成した。
- 「番組のPR」や「配信」を含めた展開については、いただいたご指摘を参考にさせていただきたい。
- 4Kへの取り組みは弊社の課題であり、目標の1つと考えているし、今後も積極的にやっていかないといけないと思っている。
- 4Kの高精細にふさわしいコンテンツが何なのかというのを見極めながら、引き続き、投資するものは投資して、頑張って臨んでいきたい。
※辻井さんの「辻」の正しい表記は、しんにょうは一点、「辶」(三画)の形になります、文字のフォントによっては表記が変わります。