株式会社ビーエスフジ
番組審議会 議事概要
BSフジ番組審議会委員の顔ぶれ(敬称略)
委員長音好宏

上智大学 教授
副委員長三屋裕子

(公財)日本バスケット
ボール協会 会長
副委員長林高広

㈱ギンザのサヱグサ
取締役・未来創造室室長
委員加藤義人

㈱テレビマンユニオン
副会長
委員三田寛子

女優・タレント
委員髙橋ゆき

㈱ベアーズ
取締役副社長
委員沢辺隆雄

㈱産業経済新聞社
論説委員

第117回
- 開催年月日
- 開催年月日 2025年7月2日(水)
- 開催場所
- 東京都港区台場2丁目6番8号
フジテレビメディアタワー22階 ㈱ビーエスフジ - 委員総数
- 7名
- 出席委員数
- 6名
- 出席委員(敬称略)
-
音 好宏 委員長/上智大学 教授 三屋 裕子 副委員長/(公財)日本バスケットボール協会 会長 林 高広 副委員長/オフィスHAYASHI代表 加藤 義人 ㈱テレビマンユニオン 副会長 三田 寛子 女優・タレント 沢辺 隆雄 ㈱産業経済新聞社 論説委員 - 欠席委員 ※レポート提出
-
髙橋 ゆき ㈱ベアーズ 取締役副社長 - 審議事項(2K・4K放送)
-
番組審議
『カメラマンが捉えた1995』
放送日時:2025年5月18日(日)18:00~19:55放送 - 審議事項(4K)
-
BS4K全般について
議事の概要
委員の発言の概要は以下の通り。
- カメラマンが現場で抱える様々な苦闘や、宿命にもがく様子がしっかり感じられる番組だった。
- 出演者が、取材したカメラマンや取材対象者しかいないというのが潔くて良いし「カメラマンは物事を伝えるプロ」というのが強く打ち出されていた。
- 報道番組は遅い時間に放送されることが多いが、18時という編成時間にBSフジの矜持を感じた。
- もっと撮影素材の部分があれば、当時の空気をより伝えられると思う。
- 昔は、生き馬の目を抜くような取材競争でカメラマンの安全確保は二の次だったが、これからの現場の安全管理の観点から報道を考える良い教材だと思う。
- 物事を見る時の視座がしっかりしたドキュメンタリーは、優れた時代の記録となり得るということを改めて感じた。
- 職人気質の報道カメラマンは絵になると思ったし、様々な場面で培われた人間味を感じられたので、救命救急士を取り上げたドキュメントのようなリアル感があった。
- 今、この年を取り上げる理由が分かるような仕掛けがあるとよかったと思う。良い企画だがメッセージが分からないという後味が残った。
- タレント知事やWindows95の登場といった事象から番組が始まるのは、記憶が呼び覚まされるものがあって、上手な入り方だと思う。
- 今、1億総カメラマン時代だが、ありのままに伝えるということにストーリーがあると感じた。
- 阪神大震災の避難所を取材した吉川カメラマンの取材を受けたご家族が淡々と生活して頑張っている姿に心を打たれた。
- 自分もテレビやラジオの仕事をしている端くれとして、マスコミの未来を考え、子どもたちにとって良い未来を作る責任を感じた。
- 動画を撮る撮影者というのは過酷であり、危険と隣り合わせの現場で、様々な思いをもって取材に当たっているのかというのがよく分かった。
- この番組が秀逸だったのは、歴史を解説するのではなく、歴史の現場にいた人間のまなざしを通して描いていたことだと思う。
- 今、誰もがスマートフォンを手に、日常を記録し、瞬間を切り取る時代だが、撮ることと伝えることは似て非なるものであることを出演したカメラマンたちの姿から教わった。
- 今回番組でフォーカスしたカメラマンは、キャラクターがすごく表れ、語りの朴訥さとか、下手さにリアリティーがあって胸を打つし、映像と語りというのがこういう形で再現されると非常に響くと思った。
- 阪神大震災の発災当時、メディア研究の観点でもメディアスクラムはそこまで問題視されていなかったが、映像を今、見返すと避難所にカメラがドカドカ入っていく様は、興味深いし、研究資料としてすごく良いものだと思う。
- こういう形での切り取り方はシリーズで展開できるし、アーカイブスの持っている可能性を感じた。
これらの意見に対して事業者側からは以下のような回答があった。
- サリン事件という未知の現場で瞬時の判断を迫られた様子や、阪神大震災という大災害で救うべき人を前に、「撮るべきか」、「救うべきか」という葛藤を強いられたエピソード。日頃ぶっきらぼうな野茂さんが見せた一瞬の素顔をカメラで切り取ったなど、様々な事柄を臨場感持って伝えられたと思う。
- 「なぜ今この年なのか?」というご指摘については、今年は昭和100年、戦後80年、そして番組で取り上げた事象から30年という節目の年であるということと、今につながる起点となった年であると思うため、この年を選んだ。具体的には、阪神大震災はメディアスクラムという“災害報道の転換点”になったような事象であり、地下鉄サリン事件も平成の30年、令和に至るまで日本に付きまとう“不安の起点”だったような気がする事件。そして、今の大谷選手の活躍があるからこそ、野茂さんの挑戦が刺さる。“野茂がいたから大谷がいるんだ”と。他にWindows95から始まったデジタル時代など、この年があるから今の時代につながっていると思う。
- 「メッセージが甘かった」という指摘については、今後の課題とし改善したい。
- 番組で使った素材のほとんどが当時の放送素材。改めてアーカイブを見ると、放送した部分の前後関係のシーンが、事後の検証という時に「何かを語ってくれる」と思った。本当は当時の撮影素材をもっと使いたかったが、保管関係の事情で、撮影素材があまり残っていないことが残念だった。