7月
#10 スクラップ&ビルド

消えゆく東京。生まれ変わる東京。
町に新しい価値観を宿す為に繰り返してきたスクラップ&ビルド。

未来にかける熱い思いが、町の新たなエネルギー。
2020年、私たちの知らない、新しい東京が誕生する。

第19回 築地/スクラップ&ビルド 7月2日放送

83年の歴史に終止符を打った築地市場。豊洲への市場移転から九ヶ月。影響は決して少なくない中、築地場外市場の今は。そして生まれ変わる築地の新しい価値観とは。

本橋正恵(「秀徳」代表) 築地に6店舗を構える人気寿司店「秀徳」のオーナー

築地市場と共に歩んできた本橋さんは、町が生まれ変わるチャンスととらえる。
「オリンピックで、日本の物に初めて触れるお客さんがたくさん来る。気軽に試せるオープンな築地になってほしい。築地の良さはそのままに、これまでの概念にとらわれない空間で、江戸前を知らない若い方、外国人の方にも日本の春夏秋冬を味わってもらえるよう、技術のある職人さんと“伝統を伝える進化”を目指す。」

「場内は移転しても場外はもっともっと入りやすく進化し続けたい。食や人との出会いがある素敵な町にたくさんの人に足を運んでもらえれば、と。」

■ 海栗BAR 海一章
築地場外の昼だけでなく夜も盛り上げるべく、蔵をリノベーションした女性客・カップルを意識した内装の店内で、全国の産地から取り寄せたウニを、それぞれに合ったワインやシャンパンと楽しむことができる寿司バー。

■ 秀徳「惠」
秀徳6店舗目となる「惠」は、2020年に向け、従来の大衆的なお店ではなく、内装や器など、日本の歴史や日本を感じるものを多く取り入れている。こだわって仕入れるのは“走りの魚(旬の始めの魚)”。

川村ミサキ(「ねこじゃらし」代表)

クリエイター向けクラウドサービスを提供する会社の代表を務める川村さんは、長年食の町として栄えてきた築地のイメージを、IT・クリエイティブの町に変える、斬新な構想を立ち上げていた。

「ITとクリエイティブの町にすることで、市場がなくなった後の築地に新しい価値をもたらし、築地の経済的な発展に寄与したい。キャッチコピーは、“食の築地から、職の築地へ”。」

IT、クリエイティブ産業に関わる人材を集めるため今年3月にクリエイター向けのシェアオフィス「DMZ WORK」をオープン。入居者だけでなく、築地に興味のあるクリエイター、築地で働く人たちの出会いの場となり、新しい築地ブランドが生まれることを目指している。
さらに川村さんは積極的に地域に飛び込み、新しい築地の魅力を発信できる仲間を探す。
「築地の伝統は大事にしながら、新しい姿を作っていきたい。年に数cmでも、10年経つと何十cmと動いている…そういう取り組みがもっと広がってくれれば、と思っている。」

従来の築地のイメージをスクラップし、新しい築地ブランドをビルドする。
築地市場移転後も、築地に生きる人々は、未来に向かって歩んでいた。

第20回 選手村&東京駅&渋谷編 7月9日放送

東京の未来シティ 晴海(選手村)

東京オリンピック、パラリンピック競技大会に向け、選手村の建設が進められる晴海。世界中のトップアスリートたちが集う選手村は、大会後、新たに50階建ての超高層ビルを二棟建設し、新たな東京のランドマークとなる、誰もが憧れる大規模な街へ生まれ変わる。

■ 井川武史(東京都都市整備局)
「大会後にレガシーとして、“誰もが憧れ、住んでみたい街”を目指した街づくりに活かそうというコンセプトで開発を進めている。晴海の立地特性を生かし、多くの方々が交流し、都市生活を快適に楽しむことができる街にすることが目標。大きなコンセプトに基づいた街づくりを進めることができたのは、2020大会が大きなきっかけになっているのは間違いない。」

首都・東京の玄関口 東京駅

約100年ぶりに建設当時の駅舎が甦った東京駅。見学を目的とする利用者も多くなり、多様なニーズへの対応が求められている。それに応えるため、丸の内北口と八重洲北口を結ぶ北通路周辺の地下に、延べ面積テニスコート67面分の新たな空間を設ける工事が進んでいた。この巨大ターミナル駅にもたらされる新たな価値観とは。

■ 赤星英信(東日本旅客鉄道)
「東京駅の歴史文化伝統を大切にしつつ、東京駅が町になる、『東京ステーションシティ』のコンセプトのもと、首都東京の玄関口にふさわしい環境づくりを進めている。」
「開発中の地下はバリアフリールートが増設されるほか、待合スペースとしてシンボリックな吹き抜け空間をもつ広場、町で言うところの公園、オアシスのような空間になるよう目指している。」

時代の最先端を走り続けるメガシティの拠点 渋谷駅【銀座線】

銀座線・渋谷駅が開業したのは1938年。多くの人に利用されてきたが、安全やサービスの面で大きな課題を抱えていた。そんな渋谷駅が新しいホームにリニューアルする。幅が1.7倍になりホーム上の混雑が緩和され、スカイデッキを設置することで駅周辺の移動も楽に。90年の歴史をみたいに引き継ぐ、利用者に優しいステーションに生まれ変わる。

■ 小柳朋宏(東京メトロ)
「建物の中に合築されていたホームを前に出すことで独立させ、島式の12m幅のホームにし利便性を向上させる。細かな段差も無くなるのでバリアフリーに。」
「90年前に比べて利用者もかなり増え、一日22万人が利用している。それに応じた形に駅を変えていくのも会社の使命だと考えている。」

時代の最先端を走り続けるメガシティの拠点 渋谷駅【東横線】

2013年、東横線・渋谷駅と代官山駅の間を地下に移設し、副都心線との相互直通運転が開始した。そんな東横線・渋谷駅では、課題となっていた上下移動の動線の整備が着々と進行している。さらに、渋谷川を移設して東口に地下広場を作り新たな賑わいを生み出そうとしているほか、渋谷川の一部を遊歩道と共に整備して町に潤いをもたらすなど、大規模な開発を進めている。

■ 秋元隆治(東急電鉄)
「2020年をきっかけに世界中から多くの人が渋谷に訪れる。新しいライフスタイル、新しい価値が次々生まれ、それをみんなで楽しむ、そんな街の玄関口を作っていきたい。ニューヨークのタイムズスクエアは民間と行政が50年、100年のスパンで一緒に取り組んで今の形を作っているが、渋谷もタイムズスクエアと競い合えるような、日本の文化を世界に発信できる舞台に育っていってほしい。」

TOP