
- ドキュメンタリー
2023年10月29日(日) 12:00~14:00
<サンデードキュメンタリー>ザ・ノンフィクション特別編『酒と涙と女たちの歌2 〜塙山キャバレー物語〜』
2023年10月29日(日) 12:00~14:00
どんな過去を背負っていても、必ず居場所はある…
茨城県日立市。チェーン店が並ぶ国道沿いに、まるで終戦直後にタイムスリップしたような佇まいの不思議な一角がある。14軒の小さな飲み屋が並ぶ「塙山キャバレー」。ここで生きるママたちは、自分たちのつらい経験すら武器にして、人生に疲れた客の心をそっとすくい上げてくれる。
最初の取材から1年3カ月、久しぶりに訪れた塙山キャバレーでは、コロナ禍も落ち着いていつもの活気が戻っていた。しかし、この間に2人の大切な人が亡くなっていたという…
一人は、この地で火事を起こした元ラーメンの店の店主でもある“のぼるちゃん”。2022年3月、自宅アパートで一人亡くなっているのを、「めぐみ」ママが見つけたという。生活保護受給者のため、遺体は市が引き取り、その後の行方は分からない。ママや常連客たちは、「せめて葬儀や墓参りでも」と市に掛け合うのだが…。
そしてもう一人は、20年ほど前に3人の子供を捨てて、この場所にたどりついた「ラブ」ママが愛したパートナー。2022年1月に、がんでこの世を去ったという。ママは笑顔で店を続けたものの「もう辞めたい。すぐに死んでもいい」と言い出す事態に…。
さらに、他のママたちにも様々なことが起きていた。最年少の「あーちゃん」ママは、塙山キャバレーでは20年ぶりの結婚。一方、最年長80代の「京子」ママは、がんの手術を乗り越え、退院わずか1週間で店に立っていた。そんなママを支えていたのが、かつて暴走族の総長をしていた息子。塙山キャバレーで唯一の男性店長として、自分の店を切り盛りしながらママをそばで支え続ける。
そして、一見、無愛想で無口なママを目当てに客が集まるのが「酔った」。黙って客の話や歌を聴くママが、ある夜、番組スタッフに切り出したのは、思わぬ頼み事。
「ある人をカメラで追ってほしいんだけど…」とママが願う相手は、大きな病と闘う店の常連客。取材を進めると男性客とママの意外な関係に驚くことになる。
今夜も塙山キャバレーでは、ママと客たちが新たなドラマを紡いでいる。
- 【語り】吉岡里帆
- 【撮影・演出・編集】山本草介
- 【構成】茂原雄二
- 【プロデューサー】伊豆田知子
- 【チーフプロデューサー】西村陽次郎
- 【制作協力】スローハンド