- ドキュメンタリー
2022年7月3日(日) 12:00~12:55
<サンデードキュメンタリー>『第30回FNSドキュメンタリー大賞』
2022年7月3日(日) 12:00~12:55
ばかやろうと言わせてくれ~球磨川と生きる 老舗酒蔵の300日~
明治31年から続く球磨焼酎の酒蔵『大和一酒造元』。代表の下田文仁さんの祖父が屋号を受け継ぎ、現在3代目。蔵に湧く天然温泉や牛乳を仕込みに使うなど、独特な商品を世に送り出し大勢のファンを抱える人気酒蔵の一つだ。看板商品は温泉焼酎『夢』と牛乳焼酎『牧場の夢』。蔵の屋根にも『夢』の文字が刻まれるなど、まさしく夢の詰まった酒蔵だったが令和2年7月豪雨で壊滅的な被害を受ける。原酒の流失や、設備の故障など被害は数億円に。中でも焼酎の味を左右する麹を作る麹室の壊滅被害で、一時は廃業も頭をよぎったという。
しかし次々と訪れる同業者の支援の手、さらに全国のファンからの励ましの手紙や義援金、ボランティアの手助けもあり、再び同じ場所での再開を決意する。
そして11月、再建した麹室で新たな焼酎造りを再開、明治時代から続く木造の蔵に再び真っ白な蒸気が立ち込め、発酵を続ける新たなもろみの息吹とアルコールの香りが蔵いっぱいに広がった。
一方で、豪雨災害を受け、下田代表がひそかに狙うのは、新たな焼酎造り。球磨川の氾濫で蔵が浸水し、蔵付きの菌はほぼ全滅。しかし、球磨川が運んできた新たな菌が蔵に住み着いているはずだと下田さんは考える。その菌が焼酎造りに合うかどうかは分からないが、この球磨川の菌を使った新たな焼酎造りに挑み始めた。
生活を破壊され、大切な人の命をも奪った球磨川。それでも球磨川とともに生業をつづける決意をした下田代表の心の叫びとは。被災した蔵を見て立ち尽くし、麹室で涙を流す下田代表の老舗酒蔵復活への道のり。そして球磨川から運ばれた菌で新たな焼酎造りに挑む姿を追う。
<制作>テレビ熊本
- 下田文仁さん(大和一酒造元代表)
- ナレーション:坂口カンナ(PINES)
- 撮影:古江智宏・井手正観
- 編集:可児浩二
- MA:森仁(U2)
- ディレクター:後藤祐太
- プロデューサー:古閑康弘