放送日：
2023年3月9日(木) 22:55～23:00

　脱炭素社会の実現に向け、環境に配慮したさまざまな新素材が続々と開発されている。例えば石灰石を主な原料に、プラスチックや紙の代替品として開発された商品。紙と比べ、紙を製造するときに必要になる大量な水と木をほとんど使用しない。そんな中、植物由来の新素材を開発し、脱炭素社会を目指しているある企業を取材。

紙の製品の研究・開発などを行なっている。さらに「セルロースナノファイバー」を開発し、脱炭素社会に貢献している。新素材の「セルロースナノファイバー」は、樹木などに含まれる繊維をナノレベル、髪の毛の10万分の1程度まで細かくほぐすことで生まれる最先端のバイオマス素材。鉄より5倍の強度がありながら軽量で、温度変化に伴って伸縮するガラス並みの優れた特性を持っている。ゴムやプラスチックに入れると、軽くて強い材料を作り出すことができる。さらに、セルロースナノファイバーを粉状にした食品にも使用できる「セレンピア」を開発。これをパン生地に混ぜ入れて焼くと、入れてないものに比べて膨らみ方の違いが一目瞭然。あんこに混ぜ合わせるとセルロースナノファイバーを入れていない方は水分が滲み出るのに対し、入れた方は水分が一切滲み出ない。セレンピアは水と仲が良い素材のため、あんこの中の水分をしっかりとどめてくれるのだという。賞味期限の延長を可能にするセレンピアはフードロス削減への貢献も期待されている。環境にやさしいこの新素材を使って持続可能な社会の実現を目指していきたいという。

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