放送日：
2023年3月9日(木) 22:55～23:00

寒い冬の必需品、使い捨てカイロ。実は再利用して地球環境に貢献できる方法があるという。日本では昭和40年代以降、河川の水質改善に取り組んできた。汚濁の著しかった一級河川の水質はほぼ確実に改善され、ほとんど全ての河川で水質は良くなってきているが、都市を流れる一級河川の一部では依然として環境基準を満たしていない地点がある。さらに、東京湾や大阪湾など主要な湾で汚濁が見られる場所もあり、一日も早い改善が求められている。そんな現状を解決しようと、使い捨てカイロを再利用して水質改善に取り組む企業を取材。

使用前・使用済みの使い捨てカイロの回収、加工、販売などを行う企業では、使用済みの使い捨てカイロをリサイクルして地球の水をきれいにするという活動をしている。使い捨てカイロを加工して作ったキューブをヘドロが溜まった汚水に投入すると、二価鉄イオンという物質が溶け出しヘドロに含まれる有害な硫化水素が鉄と反応して無害な硫化鉄になり、水質が改善するという。兵庫県内にあるゴルフ場の広さ1,600平方メートルの池に200キロのキューブを投入する実験を実施。結果40cmほどあったヘドロが5ヶ月で4分の1まで減少。さらに、光合成細菌の働きによって水中の生態系を安定化させるなどさまざまな効果が実験により判明している。現在、全国100校以上の学校や、300社以上の企業などが賛同しカイロの回収を行っている。

MOVIE