放送日：
2023年2月16日(木) 22:55～23:00

日本は火山帯に位置しているため、地熱発電に適した立地であると言われている。地熱発電は、地下に溜まっている地熱エネルギーを燃料として活用するため、石油や石炭などの化石燃料のように資源が枯渇するリスクもなく、環境にやさしい発電方法だが、日本の電源構成のうち地熱発電が占める割合は2011年から2020年で、わずか0.2％から0.3％と大きく変化なし。普及が進まない理由としては、高い開発コストや10年を超える長期に渡る開発期間などがあげられる。その現状を打破しようと、SDGs活動に取り組む企業を取材。

福島県にある、発電事業などを行っている企業は温泉の熱を利用した地熱発電を行っている。バイナリー方式と呼ばれる温泉を使った地熱発電で、通常の地熱発電には200度の熱水が必要だが、バイナリー方式は地熱の温度が低い時に、
特殊な液体を温泉の熱で加熱させることで蒸気を発生させ、タービンを回して発電。発電能力は440kWで、一般家庭で換算して約900世帯分の電力を賄うことができる。また収益の一部は、地元の人が集まるカフェの運営や車の免許を持たない高齢者などのためにバスの定期代を負担するサービスなど、地域に還元。さらに、発電の際に発生する熱水を利用し、オニテナガエビの養殖にも成功。養殖施設や釣り堀を整備することで観光客の増加にも貢献している。元々ある温泉熱という資源を活かして、新たな観光資源を生み出していく事業に取り組んでいきたいという。

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