放送日：
2022年12月15日(木) 22:55～23:00

もしも災害が起きてしまった場合、その後の避難生活で不安になるのがトイレの問題。水や食料の問題の方が深刻だと思われがちだが、実際に大きな災害に遭った人を対象として災害時に困ったことのアンケートを集計すると、ランキング１位がトイレの問題という結果に。そんな中、ある画期的なトイレを開発しSDGs活動を行っている方を取材。

日本大学工学部の中野和典教授は水道と電気に頼らず排水も出ない、水を自給自足できるトイレを開発。隣の花壇に水質浄化用のろ材を敷き詰め、4回のろ過を行うことで排水が浄化される仕組みになっている。花壇でろ過された汚れは土壌生物が分解し、植物が栄養として利用するため肥料も不要。電気や水道に依存しない自立型のトイレは、災害時に利用できる点が大きなメリットで、上下水道が整備されていない開発途上国のトイレ問題の解決にも役立つという。さらに、このトイレの仕組みを「アクアポニックス」にも応用。「アクアポニックス」とは、魚の養殖と植物の水耕栽培を組み合わせ、養殖で汚れた水を水耕栽培で有効活用するシステムで水の浄化性能をトイレの技術を応用して強化している。これは、観葉植物と水槽によって蒸発する水分が湿度と気温を維持し、室内の空気を浄化できる驚くべきシステム。自然の未字が綺麗になるメカニズムを上手に使って「安全な水とトイレを世界中に」を実現できるようにこれからも頑張っていきたいという。

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