放送日：
2021年5月20日(木) 22:55～23:00

日本では水洗トイレが当たり前だが、世界ではまだおよそ20億人もの人が衛生的なトイレを使うことが出来ていない。そのうちおよそ7億人が野外で排泄を行っていて、排泄物からハエなどを媒介し、感染症などが拡大する要因になっている。トイレの整備も、感染症を防ぐだけでなく公衆衛生の向上には欠かせない。

今回紹介するのは、広島県福山市にある環境浄化事業を行っている企業。広島県特産のカキの殻を使って、水道や下水道のない場所でも水洗トイレが使えるアクアメイクというシステムを開発している。カキの殻には極めて高い浄化能力があり、トイレから排出される汚水を高度に浄化して循環再利用が可能に。水道や下水道などのライフラインがない場所にも、水洗トイレを設置できるシステムの開発に成功した。
現在、この「アクアメイク」は、公共のトイレを始め、富士山の8号目など全国におよそ700か所設置され、さらに中国やスリランカなど海外にも導入されている。今後は、地震などの災害時に使用できる移動が可能な水洗トイレの開発を進めており、アジア圏の観光地や世界遺産などで水洗トイレを導入し、汚水が浄化され外に汚れが出ないようにしていきたいという。

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