- 時代劇
2024年5月3日(金) 18:00~19:00
<時代劇>『隠密奉行 朝比奈 第1シリーズ』
2024年5月3日(金) 18:00~19:00
第3話「山形蔵王・世継ぎをさがせ」
毎週(金)18:00~19:00
「山伏と神楽面の男たちが殺し合いを……?」
「問題は双方ともに上山藩発行の通行手形を所持していたこと」
老中土屋相模守に呼び出された大目付・朝比奈河内守は、出羽上山藩のお世継ぎを巡る騒動を探ることになった。
出羽・蔵王山中――
朝比奈は旅の遊び人・鶴吉(宮川一朗太)と知り合う。
「どうだ、飯と宿の面倒は見るから、それに見合う仕事をしてくれないか」
「仕事って?」
「今から、信次郎という名になってもらう」
「信次郎? どういうことだい?」
出羽上山に向った朝比奈たちは、神楽面の一団に襲われている籠行列を助けた。
籠に乗っていたのは上山藩主の側室・お優の方(栗田よう子)と菊丸君。
だが、お優の方たちは朝比奈が鶴吉を「信次郎」と呼んだ途端、表情を変えた。
「お礼のしるしにお二人を楢下の陣屋までご案内せよ」
朝比奈と鶴吉は好意に甘えることにする。
ところが、その夜二人は山伏姿の男たちに襲われ、かろうじて逃げおおせることが出来た。
「なんだよあいつらは、どうして旦那を狙ったんだい?」
「いや、あいつらの狙いは、信次郎、お前だ」
「おれ? どうして、俺が狙われなくちゃいけないんだ」
「この一月あまり、江戸で3人の若い男が殺された。いずれも信次郎という名の若い男だ」
「それを承知で俺に信次郎って名をつけたのか?」
「そうだ」
「冗談じゃない!」
とそこへ、上山藩士大村が現れた。
「若君!」
いきなり平伏する大村に、鶴吉はただキョトントするばかり。
そのころ上山城中では、お優の方と菊丸君を擁立する次席家老・磯辺右京亮(内田勝正)と、行方不明の若君信次郎君を推す筆頭家老・鬼塚外記(石立鉄男)が対立していた。
鬼塚は、病身の藩主の枕頭に独り侍り、何者をも近づけようとしなかったのだが、お優の方がどうしても対面すると言ったため、三日に日限を切らざるをえなかった。
朝比奈を探しに当てのない旅に出た御小人目付・真鍋平太郎は、道中で山伏に襲われた神楽の一行を助けた。
大怪我をした男に付き添う娘が「しっかりしてください、信次郎君、若君」と呼びかけるのを聞いて真鍋は目を丸くする。
大村に連れられて、朝比奈と鶴吉は鬼塚のもとにやってくる。
「お世継ぎならば菊丸君がいるのでは?」
「遺憾ながら、菊丸君をお世継ぎには出来ません」
「その理由は?」
「殿のご意志だからだ」
三日後の対面の席で正式に世継ぎが決まる事になっていると語る鬼塚。その苦衷を察した朝比奈は何事かを考えていた。
いざ、対面の日――
事態は意外な展開を見せた……
- <出演者>
- 朝比奈河内守正清:北大路欣也
- りん:萬田久子
- 真鍋平太郎:金田明夫
- 渡辺弥左衛門:鶴田忍
- 土屋相模守:船越英二
- <スタッフ>
- 原案:隆慶一郎
- 音楽:渡辺俊幸
- ナレーター:能村太郎
- プロデューサー:西渕憲司、河合徹(フジテレビ)
- 加藤貢、上阪久和、小嶋雄嗣、塚田英明(東映)
- 脚本:ちゃき克彰
- 監督:蔵原惟繕
「またお出かけでございますか?」
お土産マニアの愛妻・りん(萬田久子)に特産物を頼まれて、今日も旅立つは大目付・朝比奈河内守正清(北大路欣也)。大名が不穏な動きをしないよう、監察するのが大目付としてのお役目だが、そのやり方は彼独特。老中・土屋相模守(船越英二)の密命を受けると、身分を隠し、諸藩に潜入。事件を探る。ゆえに諸藩は朝比奈を、隠密奉行と呼んで恐れる。
そして、その朝比奈の秘密の行動を探るよう、目付・渡辺弥左衛門(鶴田忍)から命令をされて、どこまでもついてくるのが、御小人目付・真鍋平太郎(金田明夫)。いつも結局、朝比奈にいいように利用されるが、それもまた楽し。
朝比奈「旅はよいな」真鍋「それはもう、陰気臭い城のなかにいるよりは、はいッ」
朝比奈は今日も旅空の下。ひそかに、そして大胆に、悪い奴らを斬り伏せる。世はすべて事もなし!