2021年12月12日(日) 14:30~15:00

『ミライへの扉』

次回の放送予定

2021年12月12日(日) 14:30~15:00
第4話 オフグリッドで暮らす~集電でつくる快適空間~

昨年10月、世に出た「超小集電」。シリーズ第1話では、土や水などにコンダクターと呼ばれる電極を差し込むだけで、地球上に存在する微小な電気を集め、LEDライトを点灯させた。12月の第2話では、センサーやマイコン、通信機を組み合わせた機器を開発し、「超小集電」のみで稼働させて防犯や防災などでの実践利用可能段階に入っていることを紹介。第3話では、私達の生活に馴染みのある100ボルトの電圧を達成し、『使える電気』から『暮らせる電気』へと一歩近づいた。そして今年7月、茨城県常陸太田市金砂地区にある実験フィールドに「空庵」なる実験棟が建ち、集電技術はさらに進化しようとしている。そこでは、小さな電気を集めて大きな電気にするだけではなく、計画的に継続して使える電気なのかを確かめる実験が進んでいる。また11月には、超小集電によるクリスマスイルミネーションも披露された。食品ロスをなくすために、余った食事を有機肥料に変え、その肥料で育てた野菜などを料理で使うという試みを長く続けているパレスホテル東京。そのロビーにあるクリスマスツリーのLED2500個は、その有機肥料を混ぜた土を媒体にして電気を集め点灯させている。ミライへの扉を開く電気は、すぐ近くまで来ている。

中川聰(さとし)・名古屋大学医学部客員教授が開発した「集電」の技術は、今回、既に「超小」にとどまらない段階にまで来ていた。家庭用電源でなじみのある100ボルトの集電に挑むというのだ。中川氏は密かにこの研究と実験を進めてきたという。土を使うだけで100ボルトを出せれば、集めた電気だけで『暮らせる』道が拓けてくる。3月に行われた公開実験の場で、人々は驚愕の瞬間を目撃。そして、今年7月実験フィールドに建てた実験棟「空庵」。800個に及ぶLEDを継続して点灯させ、『暮らせる電気』に近づける実験が日々続いている。さらに、空庵で行っている基礎研究を、さらに応用し進化させる「オフグリッド・ラボ」も建設予定だ。オフグリッドとは、大きな送電網から切り離された状態。あえて、その状況の中で安全や安心を保障する枠組み作りを模索しようとしている。

出演者・スタッフ

<出演者>
中川聰

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