＜BSフジサスペンス名作選＞『恐妻家探偵の事件帖～殺しのレシピ～』

エッセイスト朝倉鉄平（梅沢富美男）は、最近ラジオの身の上相談にレギュラー出演し、男っぽい回答で人気上昇中だが、料理研究家ながら、料理からファッションまで洗練されたライフスタイルで主婦たちの憧れの的である妻の麻衣子（松坂慶子）の人気には到底及ばない。
テレビ、週刊誌などなどマスコミに引っ張りだこで忙しい麻衣子のため、食事、掃除の家事から車での送り迎え、身の回りの世話一切が鉄平の役目で、妻には絶対逆らえない絵に描いたような恐妻家の鉄平である。
「夫婦そろってダイエット」なる麻衣子の著書発売のため、彼女から8キロの減量を命じられ、気息えんえんで身の上相談のマイクに向かっている鉄平に、水原玲子（夏樹陽子）と名乗る女性から「殺される」という電話がかかり、すぐに切れた。
水原玲子は人気料理研究家で麻衣子のライバル。
気になった鉄平は、深夜、相談者が告げた住所へ出かけたが、なんと、そこは青山墓地ではないか。
気味悪くなった鉄平は、足元に落ちていたポプリケースを放り投げて帰ってしまったので、そのすぐ先に頭を割られた男の死体があるのに気付かなかった。
数日後、料理雑誌の編集長、結城カオル（根岸季衣）のグラビア企画で、麻衣子と玲子は福島へ取材旅行することになり、麻衣子の秘書兼付き人である鉄平もお供する。
新進の人気カメラマンで玲子の恋人、秋川（沢向要士）の撮影で取材が始まったが、その日の深夜、玲子重視の撮影をする秋川に抗議しようとした麻衣子が鉄平と秋川を探したところ、彼は宿の近くで死亡していた。
他殺と断定した警察から死体の第一発見者として容疑者並みに事情聴取されて頭にきた麻衣子は、鉄平と二人で必ず犯人を探し出すと宣言。
こうして鉄平と麻衣子の探偵物語が始まる…。