＜名作ドラマ劇場＞『京都祇園入り婿刑事事件簿』

　祇園のお茶屋「みむら」の女将三村加代子（中村玉緒）の反対を押し切って、京都府警捜査一課の刑事三村邦夫（三田村邦彦）は加代子の娘冴子（藤谷美紀）と結婚、「みむら」の入り婿となった。なまめかしいお茶屋から事件捜査に飛び出していく二枚目入り婿刑事の活躍をつづる、異色サスペンスドラマ！
　
　「みむら」も知り合いの早川織物の社長の孫娘が誘拐された。社長が脳梗塞で倒れ、次期社長争いも取り沙汰されている折りだ。社長夫人玲子（野川由美子）が用意した身代金を奪った犯人は、邦夫（三田村邦彦）らのパトカーに追われ、オートバイから転落して死んでしまった。孫娘の行方に邦夫らは懸命になる。ようやく孫娘がみつかったと思ったら、今度はやはり「みむら」と親しい土産物喫茶の女将橋本克江（片岡静香）が何者かに殺された。事件の背後には、25年前の早川社長の先妻と娘との変死事件や、当時はまだ社長の愛人だった玲子の出産問題、また克江が養女として育ててきた娘の実の母親の謎などが複雑に絡んでいた。