＜時代劇＞『剣客商売　第5シリーズ』

　秋山大治郎（山口馬木也）は、滝口友之助（美木良介）という年上の浪人と知り合った。剣の腕は立ちそうで人柄も好ましい。お互いに好感は持ったものの、深いつきあいにはならずに半年が過ぎた。
　大治郎は、野次馬が見守る中で、町娘をいじめる三人の浪人を刀も抜かずに片付けた。身なりのいい中年の侍・宮部平八郎（寺泉憲）が大治郎の後を追い、訳を聞かずに五十両で人を殺してくれと頼む。そんな申し出を受ける大治郎ではないが、相手が滝口友之助と聞いて引き受けた。三冬（寺島しのぶ）には、「自分が断れば別の者を探す。あの人を斬る気はない」と言った。
　翌日大治郎は、浅草の蕎麦屋で宮部と再び会い、二十五両を受け取る。残りは事が成就してからとした。宮部の後を、弥七（三浦浩一）と傘徳（山内としお）が尾行した。
　大治郎は、事情を聞くつもりで友之助の家を訪ねたが、友之助と間違えられて刺客に襲われてしまい…。

　池波正太郎原作による人気時代劇「剣客商売」の第5シリーズ。対照的な性格の剣客父子がさまざまな事件に出会い解決して行く姿を、江戸の町の情緒や人情を交えながら描き出す。今回は、大治郎と三冬夫婦に長男・小太郎が誕生し、これまでの小兵衛と大治郎のハードな剣客の世界に新たにアットホームな要素も加わる。