第1話 蘇州の“お騒がせ者”

 時は明の時代。中国各地には刺繍の名家が集まる刺繍の盛んな地域が存在、特に蘇州は皇宮御用達の刺繍の名手が集まる全国一の刺繍の町だった。
  ある日、その蘇州に全国の刺繍職人が集まる行事が開かれ、“刺繍の神”の称号を持つ江学文が率いる江家繍荘、同じく名家の杭家繍荘が皇宮の客人を出迎える準備にいそしんでいた。
  その頃、各地を旅していた徐雷・徐恨親子が蘇州に流れ着き、働き口を求めるため江家を訪ねる。江家で学文の帰りを待つ徐親子だったが、息子の徐恨はひょんなことから、学文の娘の江嘉沅に遭遇する…。